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学問重視から患者中心へ 事故防止へ安全を徹底 文部省(共同)
2000.11.19 [he-forum 1423] 学問重視から患者中心へ 事故防止へ安全を徹底 文部省(共同)

学問重視から患者中心へ 事故防止へ安全を徹底 文部省


共同通信ニュース速報


 医学教育の在り方を検討している文部省の研究班(主査・佐藤達夫東京医科歯科大教授)は十八日までに、内科学、解剖学など学問体系を重視した現行のカリキュラムを抜本的に再編成し、患者中心の教育を目指す共通カリキュラムの試案をまとめた。

 具体的には、医の倫理や患者の権利に関する学習を徹底、症状別に治療法を学ぶなど臨床を念頭に置いた編成とする。多発する医療事故については「日常的に起こり得る」とし、安全管理教育にも力点を置く。
 研究班は、医学が高度化・専門化する一方で、医療ミスが相次ぐなど、医療への不信感が高まっているのを受けて設置された。
 試案は、現在の学習内容を三割程度削減、最低限修得すべき項目を「コア(核)カリキュラム」と位置付けた。削減で浮いた時間は、学生が関心のある分野を学べるよう、各校が幅広い選択科目を用意するとした。
 コアカリキュラムは、医の倫理や患者の権利、インフォームドコンセント(十分な説明と同意)などを学ぶ「基本事項」、遺伝、代謝、免疫などを内容とする「医学一般」など七分野で構成。「診療の基本」では、発熱、けいれん、脱水など、具体的な症状について、推定可能な病気や緊急治療などを学ぶ。
 「安全性への配慮」の分野で、事故が起きやすい状況や、ミスがあっても重大事故につながらない仕組みの重要性を理解させる。
 研究班は、試案について各大学に意見を求め、コアカリキュラムをさらに絞り込み、来春までに確定する方針。早ければ二○○二年度から実施される。(了)
[2000-11-18-14:07]




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