独行法反対首都圏ネットワーク |
以下の要望書に賛同し署名される方は、11月6日(月)午後8時までに tujisita@math.sci.hokudai.ac.jp
としてお知らせください。国立大学協会へ提出する時以外は匿名とすることを希望される方は、その旨を同時にお知らせください。
辻下 徹
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2000年11月7日
国立大学協会会長
蓮實 重彦 樣
国立大学協会は6月14日の総会で、 文部省が国立大学独立行政法人化の具体的作業遂行を目的とした調査検討会議へ積極的に参加することを全会一致で決めました。昨年来、大学関係者の間で独立行政法人化への強い疑義の声が途切れることなく広汎に上がっている中で、文部省が独立行政法人化の方針を明言した直後に、このような合意に至った経緯は、大学関係者だけでなく国民全体にとっても未だに不可解なままです。さらに、6月総会合意事項は、人を煙に巻くものであり、日本社会から大きな負託を受けている国立大学の指導者集団が備えるべき誠実性の不足を証明しています。
7月28日に私たち国立大学教職員有志360名(現在64大学646名)は、会議への参加を撤回し、日本社会に向けて国立大学協会自身が語りかけることを求める要望書(添付書類)を国立大学協会に提出しました。しかし、未だ回答はなく、また、設置形態特別委員会等の関連する場で議論されたという情報も得ていません。
6月総会から5ヶ月が経過し、独立行政法人化調査検討会議が開始され3ヶ月が経過しましたが、国立大学協会の戦略は会議に「意見を反映させる」ことにしかなく、実際、議事概要を見る限り、参加者である大学関係者が個人として思い思いに発言しているだけあり、国立大学協会と文部省との対等な交渉の場にはなっていません。しかも、会議を主宰する文部省は、独立行政法人通則法に基づく具体案をまず作成してから是非を検討する方針を明確にしています。その方針通り、膨大な作業の末に大学の意見も枝葉末節では取り入れた具体案ができたとき、それを非として退けることは、判断基準となる明確なもの−−真の対案・大学憲章等−−がない限り不可能なことは明らかです。
具体案作成作業を開始する会議に、真の対案・大学憲章等の備えなしに、留まることは戦略的配慮を著しく欠くものです。
そこで、会則28条に従い、以下の要望書を提出します。
連絡先
国立大学協会会則第28条に基づき、国立大学教職員360名共同で、以下の要望書を提出いたしますので、関係委員会においてご検討くださいますようお願いいたします。
代表 北海道大学教授 辻下 徹
国立大学協会は、さる6月14日開催された総会において、文部省が設置を予定している「国立大学の独立行政法人化に関する調査検討会議」に参加することを決定しました。 各大学内に、独立行政法人化に対する根強い反対意見があるなか、十分な審議を尽くさないまま、文部省、自民党の圧力に屈する形で、独法化を前提とした「調査検討会議」への参加に踏み切ったことは、きわめて遺憾なことと言わねばなりません。 私たちが何よりも危惧することは、「調査検討会議」に正式に参加すれば、そこにおいて決定されることを拒否することは事実上不可能であり、結局は独立行政法人通則法を骨格とする法人化の受け入れに繋がらざるを得ないでであろうということです。
蓮實国大協会長は14日開かれた総会後の記者会見において、「調査検討会議」への参加が独法化受け入れを意味するものでないことを強調し、さらに「最終的に全く理想的な形態がそこに成立しなければ、その後新たな問題が起こるだろう」とまで述べておられますが、これらは、何の担保・保障もない以上、中味のない空証文に終わる恐れが強いのではないでしょうか。
そもそも、文部省が独法化に向けて一方的に設置する「調査検討会議」への参加の是非さえ余裕をもって判断できないようで、どうして今後、国大協の主体性を期待できるのでしょうか。
国大協が、6月14日の会長発表第一項にあるように、「国立大学の設置形態に関して、これまで表明してきた態度を変更する必要があるとは認識していない」というのであれば、「調査検討会議」への正式参加を取りやめる以外にありません。
いま国大協にとって大切なことは,文部省の中の一組織に性急に加わることではなく,広く国民にこの問題の本質を理解してもらうための組織的努力を開始することではないでしょうか。
その一つは「独立行政法人」に代わる案を国民の前に提示することであると考えます。ぜひ会長発表第二項にある「設置形態検討特別委員会」において、全大学関係者の英知を集めて、真に大学の独立を確保する国大協独自の案づくりを進めてください。そして本格的な選択肢を広く国民に提示し,その判断を仰ぐべきです。私たちもそのための協力を惜しみません。
以上、要望いたします。
賛同者 360人