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東京商船大・東京水産大統合に向けた検討に着手
2000.11.1 [he-forum 1368] 日本海事新聞10/26
『日本海事新聞』 2000年10月26日
東京商船大・東京水産大統合に向けた検討に着手
東京商船大学(東京都江東区、杉崎昭生学長)、東京水産大学(同港区、隆島史夫学長)は十九日、それぞれの教授会で両大学の統合に向けた検討に着手することを承認した。まず双方の学内で検討を行い、準備が整い次第、両大学による検討会を立ち上げる。両大学は「海」や「船」にかかわる教育研究分野で共通部分があり、統合により将来の発展が期待でき、社会の負託にこたえられると判断、統合に向けた話し合いを開始することになったようだ。
学内での検討会の人選・開催時期などはこれから決める。この協議が整えば、「今後、両大学のよる検討会を持つことになる」(杉崎東船大学長)。
東船大は商船学部、東水大は水産学部をそれぞれ設置する単科大学。両大学は学会レベルの交流のほか、個々の教授レベルで大学院指導などで協力実績がある。また、両大学とも旧制時代から百年以上にわたる歴史と伝統を持ち、十数種目のスポーツ対抗戦を通じた学生交流は五十数年に及ぶ。なお、東船大の他大学との連携例としては三年前から東京農工大学と単位互換を実施しているほか今後、電気通信大学とも単位互換の検討を進める計画。
【解説】
国立大学統合の動きとしては山梨大学と山梨医科大学、筑波大学と図書館情報大学がそれぞれ統合で合意している。東船大と東水大の統合に向けた検討着手は合意に達すれば三件目、単科大学同士では初のケースとなる。統合の検討は自主的判断によるもので、昨年末に杉崎東船大学長が隆島東水大学長に両大学の連携などについて話し合いを呼び掛け、トップ同士で協議した結果、統合に向けた検討に着手することを各教授会に諮り承認を受けた。
各学内での検討を経て、両大学による検討会に進む段取りで、早ければ年内にも初会合が行われる可能性がある。両大学には海、船といった共通項があり、将来の発展の姿を展望した場合、統合の検討対象(パートナー)として最適との判断が働いたようだ。ともに単科大学であり、仮に統合した場合、商船学部、水産学部を基軸に海と船にかかわる教育研究機関として国際的に通用する大学を目指すとともに、教育研究拠点としての機能拡充が進むものとみられる。学部関係では学際部分をどう調整するかなどが検討課題となりそうだ。(取材部・藤本逸朗)