懇談会の議論
(2000.10.14 [reform-ed:00222] 懇談会の議論)
懇談会の議論が危険な様相を呈していることを示す記事です。
10月14日 リフォームED世話人
新潟大学教育人間科学部 森田竜義
morita@ed.niigata-u.ac.jp
文教速報6083号(9月4日づけ)
国立教員養成系大学・学部のあり方懇談会が初会合
国立の教員養成系大学・学部のあり方に関する懇談会の初会合が、8月28日、霞が関東京会館で開催された。懇談会では、教員養成系大学・学部教官の二割程度しか実際に小中高校の教壇に立ったことがないという調査結果が報告され、委員からは批判が続出。研究中心の教官ではなく、学校現場を熟知した教官を配置する方針が文部省から示された。
教員養成系大学・学部については、少子化などにより教員需要が減少していることから、入学定員も削減されている。初会合で挨拶に立った工藤高等教育局長は、こうした現状に対し、「リストラめいた対応があり、関係者の中で後ろ向きになっているような気がするが、教員養成の重要性というのは今後ますます高まる」と述べ、入学定員削減により従来以上に求められる学生の「質」の向上策を検討するよう要請した。
また、文部省が全国の教員養成系大学・学部の教官を対象に実施した調査結果が報告され、教授、助教授、講師、助手6801人のうち、今年5月1日現在、実際に小中高校の学校現場で教えたことがあるのは1553人で、全体の22.8%に過ぎないということがわかり、委員からは「現場経験がもっと必要」といった意見が寄せられた。文部省も研究中心の教官ではなく、学校現場を知り尽くした教官を配置するなど学生への教育を重視した大学教官配置を行う方針であることを明らかにした。
座長には明海大学の高倉翔学長を選出した。懇談会は今後、学部・大学院・附属学校の役割、組織・体制のあり方などについて来年3月31日まで検討す
ることとしている。