独行法反対首都圏ネットワーク

全環境労働組合国立環境研究所分会のホームページより
2000.10.25 [he-forum 1362] 国立環境研究所の動向

全環境労働組合国立環境研究所分会のホームページより
http://www.intio.or.jp/arbeiter/4opinion.htm

OPINION〜組合員からの投書
103 (2000年9月19日)
  そもそも論の矛盾と理事不要論

  9月8日の運営協議会において、独立行政法人化後の国立環境研究所の新組織案が示された。この組織案が、今後の環境研究を支えるために適しているものなのかどうかという論議は先送りにして、なぜ今、新組織案が忽然とでてきたのか腑に落ちないところがある。
  運営協議会では、「新組織案を含む中期計画案の大蔵説明文は、時間がなかったこともあり、企画サイドでトップダウン的に決めることも可能であったが、幹部会に諮って案をまとめさせていただいた。」と総務部長が説明したようである。しかし、そもそも時間がなかったのではなく、当初からこの研究所は新組織論議をなおざりにしていたのではないだろうか。また、たとえ大蔵用の作文だとしてもこれに全く拘束されないはずはない。理事長がトップダウン的に弾力的な組織を提案したならともかく、理事長も理事も居ない現組織下で主任企画官がトップダウン的に組織案を出すことは許されるはずがない。現在、所員の一応の合意が得られる新組織提案者は(副)所長以外はいないのではないのか?
  独立行政法人では、中期目標をもとに研究業務を遂行することが必要とされ、また、評価も現在のものより厳しくなるものと理解しているが、それでは5年後に国立環境研究所の研究が外部から良い評価を受けられなかった時、いったい誰が責任をとるのであろうか。企画なのか幹部会なのか?
  そもそも半年ほど前は、「独立行政法人国立環境研究所の将来は数年後に定年を迎える我々ではく、これからの国立環境研究所を支えていくであろう若い世代に積極的に考えて欲しい。」と、所長も発言されていたし幹部会メンバーも追随する発言を繰り返していたと思う。取りあえず、独立行政法人となるまでは現在の組織をあまり変えないという発表があってから、この研究所はどのように方針を変えていったのであろうか? 幹部会で論議して決めたとのことであるが、研究所の将来に関する大事な決定であるからよっぽど論議を重ねたものと信じたいが、新組織案からは今後も国立環境研究所が環境研究をリードしてゆくという気概が感じとれない。研究所はこの新組織案提出に至るまでの過程をはっきり職員に示すべきである。このようないい加減な形で新組織がスタートすることは許されまい。
  新組織では理事長が1名、理事が2名要求ベースで出されており、このうち1人の理事は行政官を想定していると噂されている。私は理事は2名もいらない、いや1名もいらないとすら考えている。OPINION第102号において、雷神さんは次のように指摘されている。「何年か前に霞ヶ関が環境研のポストを流用し、その結果環境研は空きポストを埋めることができなかった。更に今後5年間に17名という定削目標を総務庁から言い渡されているが、17名に抑えられたのは環境庁の好意によるものであるという当局の説明は矛盾している。」 そもそも、国研のままだと国家公務員ゆえの定削を受けるので、組織運用がそれ自身に任されている独立行政法人に移行した方が職員にとって有利ということであったのが、5年間に17名という大幅な定削目標がでてきたということは、裏切り行為ではないか。組合もだらしないと思う。この件に関して、組合が直接人事院に確認し、真実を組合員に伝えるべきである。  また、このように実際の研究者数がやせ細っていく状態で、研究をしようはずもない理事を置くことは無意味である。更に、研究所が「本来、主任企画官がトップダウン的に決めることも可能である。」と考えているのであれば、理事など居なくても企画がしっかりしていればそれで済むではないか。理事分を、プロジェクトリーダーなど研究スタッフに当てた方が研究が充実するというものである。
  研究者はもっと声を大にして、国立環境研究所の危機を訴えるべきである。                                                           <雷鳴蛍>


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