独行法反対首都圏ネットワーク

千葉大のフェロー制度 13人委嘱スタート
2000.10.24 [he-forum 1358] 千葉日報10/13

『千葉日報』2000年10月13日付

千葉大のフェロー制度 13人委嘱スタート
全国初、退官教授が再登壇  


 退官した教授が、ボランティアで再び教壇に立つ「グランドフェロー(教育研究推進員)制度」を今年度から導入した千葉大学(磯野可一学長)で、後期が始まった今月から同制度が本格的にスタートした。今年度は、十三人の名誉教授にフェローを委嘱しており、教育・研究活動の活性化と高度化へ向けて、全国で初の取り組みが動き出した。国立大学に独立行政法人化の導入が検討される中、今後は各大学で相次いで「独自性」を打ち出すことが見込まれる。

 グランドフェロー制度は、千葉大で六十五歳の定年を迎えた退官教職員を対象として、豊富な知識と経験を生かし再び教鞭を執ったり、留学生の相談に応じたりして学生を支援するため導入した。同制度の委嘱期間は一年間。年度ごとに更新し、通算期間の限度を二年間としている。“ボランティア”制度で、報酬はない。


 今年度フェローに委嘱された十三人の名誉教授が退職時に所属していた部局は、文学部一人、教育学部二人、医学部二人、薬学部三人、理学部一人、工学部一人、園芸学部一人、医学部附属病院一人、環境リモートセンシング研究センター一人。

 委嘱された名誉教授らは、一般教養の授業、外国人留学生の指導・相談、就職指導などの学生相談、地域社会との連携・交流の推進、生涯学習などを担当する。


 フェローの活動拠点として、西千葉キャンパスに共同研究室・相談室を設置した。共同研究室にはパソコンなどの設備を置き研究などに利用。相談室では学生などからの相談を受ける。 


 千葉大によると、今年度で千葉大を退官する教官は十九人。来年度のフェロー委嘱は、新規・継続を今年度末までに決める。

 国立大学の独立行政法人化をめぐっては、文部省で「組織編成など、大学の裁量権の範囲が拡大する。これまで単年度決算が原則の国からの交付金も柔軟に運用できる」とメリットを強調。一方で、国立大関係者からは「経済的な効率性を追求する制度を大学という特殊な環境に導入すれば、採算を度外視するような長期的研究の実施が難しくなる」と反対している。
 磯野学長は「独立行政法人化は、国立大学が国立でなくなることを意味する極めて重大な転換」と指摘。千葉大では、運営方針など意思決定する最高機関「評議会」で独立行政法人化についての検討を行うなど、対応を協議している。

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