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2000.9.30[he-forum 1303] 東京新聞09/30
『東京新聞』2000年9月30日付
都は二十九日、公認会計士が行った都立四大学の経営管理に関する外部監査 結果を公表した。四大学の収支を合算した「結合収支計算書」を初めて作成、 収入の約四・四倍に当たる百六十七億円の大幅赤字を指摘した。石原慎太郎知 事は四大学の統合を視野に入れた大学教育改革に乗り出しており、外部監査結 果も統合を「効率性が図れる」と後押しした。 監査対象は都立大(八王子市)、都立科学技術大(日野市)、都立短大(中央区 と昭島市)、都立保健科学大(荒川区)。 結合収支決算書によると、四大学すべてが赤字で、都立大の赤字が百二十一 億円と最大。四大学の収入は授業料がほとんどで都立大が最も多く三十五億円、 四大学で計四十八億円だった。これに対し、支出は教員や職員の人件費が大部 分を占め、四大学で計二百十五億円だった。 都立の大学全体の収支把握がこれまで行われなかったのは都内部の所轄部署 が分かれていたため。監査報告は少人数教育の一部見直しや学生数の増員、四 大学の教員相互派遣や統合による業務の合理化を提言。「大学事業を営利事業 として位置付けることは不適当と思われるが」としたが、経営の視点からの 「無駄な支出の削減を」とした。 飛び級、新学部などを盛り込む 都立大が改革案提出 都立大の萩上紘一総長は二十九日、都庁で石原慎太郎知事と会談、改革推進 本部(本部長・磯部力教授)がまとめた都立大改革案を提出した。 磯部教授によると、改革案は「都立高校と連携して入試で卒業生を入りやす くする」「学部三年、大学院四年で卒業できる飛び級コースなどの設置」「新 学部の構想」など。 この日は、都立大など都立四大学の大幅赤字を指摘する外部監査報告が発表 され、石原知事も「赤字をどうにかしろ」と冒頭から穏やかでなかったと言う。 改革案については教育庁などが預かる形となり、今後も引き続き議論してい く。