独行法反対首都圏ネットワーク

2000.9.29[he-forum 1298] <ひと>都知事の特命で改革に取り組む川崎康博・都立大事務(毎日)
毎日新聞ニュース速報

<ひと>都知事の特命で改革に取り組む川崎康博・都立大事務

 「思い切った改革ができできなければ、売り飛ばすぞ! 」。都立大学の改革を迫
る石原慎太郎東京都知事の口調は激しい。

 それもそのはず。学生10人に教員1人という申し分ない教育環境にありながら、
存在感を示せないままでいる。都立大の卒業生はおおようで都庁も採用しない、と冷
やかされる。加えて都の財政難も深刻だ。

 そこでこの8月、改革請負人として知事に指名された。「危機意識とコスト意識、
世間の常識の三つをカバンに詰めて大学に通う」。就任あいさつでそう訴えた。

 前任は都労働経済局理事。中小企業向け債券市場の創設など、都政の常識を破る大
胆な政策を成功させた。今度は大学改革。まずは教授たちとの対話から始めた。大学
設置者の代表という立場から、大学の「自治」に切り込む。

 「総長とも対決する。大切なのは大学人の意識改革」と言い切る。

 国も大学改革を進め、少子化で経営的に厳しい私立大も生き残りをかけて必死だ。
「公立大学だけが無風地帯であり得ない」

 行政マンとして大学のぬるま湯体質を指摘する。「大学が変われば、高校、中学、
小学校が変わるはずだ」。都立大での試みは、学校改革の連鎖の口火に過ぎない。

 「創造力豊かな、飛び抜けた人材を世に送り出したい」。最終的な狙いはそこにあ
る。

 「骨は拾ってやる」と送り出した、せっかちな石原知事の課した宿題の期限は9月
末に迫っている。


 文 社会部 早坂 文宏
 【略歴】東京都出身。中央大大学院卒。西武ライオンズの大ファンで、最近は機嫌
の悪い日が多い。54歳。

[2000-09-28-23:30]


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