独行法反対首都圏ネットワーク

2000.9.21[he-forum 1282] 福井新聞09/19
『福井新聞』2000年9月19日付

統合再編論議をけん制・福井大教育地域科学部が見解
 (●2000年9月19日 ●午後8時40分)

 文部省が国立の教員養成系大学・学部を北陸など地域ブロック別に統合する
動きを見せる中、福井大学教育地域科学部(隼田嘉彦学部長)の教授会は19
日、「1県1教育大学の堅持」を骨子とする独自の見解をまとめ、県庁で発表
した。教育系学部の地域教育に果たす役割を強くアピールし、再編論議をけん
制する内容。文部省主導の論議が進む中、当面する学部の教授会が行動を起こ
したのは国立大で初めて。


 文部省は8月28日、全国の教育関係者20人による「国立の教員養成系大
学・学部の在り方に関する懇談会」を設立。来年3月まで半年間にわたる議論
の課程で、北陸など地域ブロック単位の学部統廃合も視野に教員養成系再編に
ついて、一定の基本方針をまとめる考えでいる。


 13日には森首相も全国知事会議でブロック単位の国立大再編を示唆する発
言をして、再編の動きは加速している。同学部教授会は、地域での役割を積極
的に議論に反映させていこうと、全国に先駆けて見解を発表した。


 A4判7ページにわたる見解文では「独立行政法人化問題ともかかわって文
部省の懇談会において組織・体制にかかわる論議も始まり、21世紀に向けて
の教育系学部・大学院の在り方に関する論議は岐路にさしかかっている」と前
置き。▽生涯学習に果たす高等教育機関の役割はますます大きくなる▽いじめ、
不登校など学校が直面する課題に対応するためには、教師や保護者、行政と大
学との密接な連携が不可欠−などとして、「生涯にわたる教師の力量形成を支
え学校改革を実現するための地域共同ネットワークの拠点としての役割を果た
していかねばならない」と結んでいる。


 会見で隼田学部長は再編問題について「文部省はまだ一言も正式に言ってい
ないが、ブロック化の動きともとれるものはある。大学の改革だから研究・学
問の成果にのっとった協議をしてもらいたい。目先の効率化でなく、教員を養
成することはどういうことか、本質を訴えたい」と強調。同大評議員の寺岡英
男教授も「これからの教育改革実践のためには、1県1教育大学は堅持する必
要がある」と断言した。


 見解は20日以降、同省や同懇談会の委員全員、全国48の教員養成系大学・
学部に配布。10月に予定される日本教育大学協会北陸地区会議など各種会合
でも議題に上げ、関係者に考えを諮っていく。

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