独行法反対首都圏ネットワーク

2000.9.6[he-forum 1252] 東京新聞08/11
『東京新聞』2000年8月11日付

競争的研究費を倍増
平等配分見直し 自由侵害と大学反発
次期科技計画草案

 来年度から五年間の科学技術基本計画の草案骨子が十日、東京都内で開かれ
た科学技術基本計画起草グループの初会合で示された。競争的な研究環境の実
現を強調している草案に対し、大学側は「学問の自由」を唱えて反発している。
草案は、公募と審査によって重点配分する「競争的研究資金」を現在の三千億
円から倍増させ、さらに競争的資金を獲得した研究機関には、間接経費として
研究費の三〇%程度を上乗せして配分するとしている。一方、非競争的な資金
は競争的なものへ移行するとしており、大学などに平等に分配されていた研究
費を削減することも明示している。「アメ」と「ムチ」で有益な研究を促進し
ようという狙いだ。

 起草グループは、科学技術会議議員の井村裕夫・元京大学長を中心に、産業
界の代表や国立大学長、文部省・大蔵省のOBら十人。大学側の起草メンバーら
は、平等に分配されている資金が削減されることから「研究基盤が弱まり、大
学の自治や学間の自由を侵す恐れがある」と主張した。これに対し、産業界や
大蔵OBなど過半数のメンバーは「財政事情を考慮すると競争的資金への移行は
当然」と草案を支持している。

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