独行法反対首都圏ネットワーク

2000.9.4[he-forum 1242] 朝日新聞09/04
『朝日新聞』2000年9月4日付

■「高齢化は東大の活力損なう」と定年延長への反対シンポ
 60歳→65歳の定年延長は、若手登用を妨げる 

 東京大学で検討されている教官の定年延長に反対するシンポジウムが3日、
名誉教授らの呼び掛けで東京都内で開かれ、現役教授を含め約70人が出席し
た。現行の60歳から65歳への定年延長は、人材の流動化や若手の登用を妨
げ、大学の活力を損なうという意見が相次いだ。

 国立大の定年は、約6割が65歳、京都大、大阪大など大学院重点化大学で
63歳。東大と東京工業大は60歳定年を続けてきたが、東工大は今年、段階
的に65歳に延長することを決めた。東大では、7月の評議会で蓮實重彦学長
が定年延長を提案。「国籍や性別、年齢による差別を撤廃」し、「60歳を超
える人材を活用」して大学を活性化するとしている。

 元東大理学部長でシンポジウム世話人の一人、益田隆司・電気通信大教授は
「高齢化は大学院重点化大学の活力の低下に直結する。東大だけの問題ではな
く、もっと慎重に議論すべきだ」と述べた。ほかに「年齢による差別撤廃をい
うなら定年撤廃が筋、65歳には合理的根拠がない」「業績評価や任期制と合
わせるべきだ」といった意見が出た。

 年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられることや、定年後の再就職が難
しくなっている現実に対応するのが本音、との指摘もある。

 東大内に反対意見は少なくないが、部局レベルで反対を明確にしているのは、
今のところ先端科学技術研究センターだけという。

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