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2000.9.2[he-forum 1236] 福井新聞08/31
『福井新聞』2000年8月31日付
福井医科大など全国の国立医科大を一つの大学法人に統合して各医科大は分 校と位置付ける再編構想が進んでいることが30日までに、文部省などの話で 分かった。国内に13ある単科医大のうち、本県の福井医科大をはじめ名門、 東京医科歯科大を含む8医科大が現時点で参加の意向を示している。早ければ 9月上旬にも参加医大が確定、統合の具体化に着手する見込み。実現すれば付 属病院の病床数が現在最多の東京大(約千床)を上回る5千床クラスの国内最 大、世界有数の一大医療機関が誕生する。 参加を固めているのは、福井、東京医科歯科、島根、高知の4医科大。大分 と浜松の2医科大は学長レベルで参加に前向きの姿勢。このほか西日本の2医 科大も参加の可能性を探っている。 統合構想には、国内最多の病床数を生かして得られた臨床データを基に、世 界的な医療研究競争に参画しようとの狙いがある。3年後に導入が見込まれる 国立大の独立行政法人化を受け、大学間の生き残り競争が予想される中、医療 研究の分野で国際競争力を発揮したいとする医科大同士の思惑が一致した。 昭和50年代に設置された、いわゆる新設医科大は、大学運営基盤の強化に 迫られており、山梨と香川の両県では医科大が地方国立大との統合を図った。 今回の構想は、県域を超えた新たな路線を選択したことになる。文部省も医科 大同士の統合再編交渉を前向きに評価していることから、今後一気に進展する 可能性も高い。 統合後は、文部省からの予算は大学法人が一元的受け皿となるが、教官、事 務官、看護職や学生は現状のままの配置となる。法人の事務局の場所などは今 後、検討していくとしている。 福井医科大・須藤正克学長は、他医科大の動向を見極めた上で、大学改革検 討委員会で内諾を得、最高意思決定機関である教授会に諮る考えでいる。