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2000.8.25[he-forum 1210]国立大の教育学部再編を検討 少子化の影響で文部省
(朝日新聞速報)
文部省は24日、全都道府県に設置されている国立大学の教員養 成系学部の再編や統合を進める方針を明らかにした。少子化の影響 で教員の採用数が急減しているのを受けた措置で、「どの地域にい ても教師になれる」という長年の教員養成政策を抜本的に見直すも のだ。文部省は大学関係者や小学校、中学校の校長らを集めた懇談 会を28日に設置し、来春をめどに報告をまとめる。省内には「隣 県同士で統合する」「『小学校教員の課程だけ』『中学校だけ』な ど個々をスリム化し、役割を分化させる」などの案が出ている。 ただし、大学や現場の教員らには「地域の教育界を担う人材は地 域で育てる、という伝統を捨てるべきではない」「教育の機会均等 に反する」などの異論がある。地域感情もからみ、結論までには曲 折があるとみられる。 教員養成課程をもつ私立大は全国に3校しかなく、この分野は圧 倒的に国立大に頼っている。しかし、少子化で新規の教員募集は減 っており、昨春に国立大の教員養成課程を卒業して教員になった人 は32.0%にとどまった。5年前に比べて20ポイント以上も減 っている。 文部省は、課程の定員を削減したり、同じ学部内でも教員免許取 得を目的としないコース(ゼロ免課程)の定員を増やしたりして対 応してきた。しかし、教員採用をめぐる状況は今後も大きな改善は 望めず、国立大は独立行政法人化に際して運営環境を整える必要に 迫られていることもあって、抜本的な見直しを図ることにした。 同省内には、「交通手段が発達した現代では全県に教員養成学部 を置く必要はなく、積極的に統合をはかるべきだ」という意見があ る。また、▽「空白県」をつくるのは避け、各大学の教育課程をス リム化して対応する▽学部定員の相当数を占めている「ゼロ免課程 」については教養学部に再編する――などの案もある。 [2000-08-24-23:40]