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2000.8.14 [he-forum 1184] 東京新聞8/13
東京新聞 2000年8月13日(日)
教育・研究を論議 基本計画策定も 文部省は十二日までに、大学を中心とする高等教育政策に大所高所から意見を述べる文 相の私的懇談会を近く新設する方針を固めた。現在ある大学審議会は高等教育、学術審議 会は研究面を中心に個々のテーマを論議しているが、その両方を大局的、長期的に議論す る場はこれまでなかった。国立大学協会など大学側でも、こうした機関の設立を望む声は 強く、"大学政策ご意見番"として、将来は大学版「科学技術基本計画」となる「高等教 育政策基本計画」の策定なども話し合うとみられる。 同省では今月中に懇談会の構想を固め、九月からスタートさせる方針。メンバーは国立 大学協会長や私立大学連盟・私立大学協会会長など関連団体のトップを中心に、新進気鋭 の研究者らを加えた十五−二十人程度になるもようだ。 高等教育政策をめぐっては現在、国立大学の独立行政法人化が大きなテーマとなってい る。大学関係者の中には、大学改革と関係ない行政改革から独法化論議が始まったことに 不信感を持ち、国レベルの総合的な高等教育政策の不在を嘆く声が強い。また、独法化に より、重要だが人気薄だったり、採算が取れない研究分野が、競争原理に巻き込まれてリ ストラされるという不安も渦巻いている。 新しくできる懇談会は、こうした批判や不安にこたえて、全国的にみた学問分野のバラ ンスが失われたり、短期的な利害で方向性を誤らないよう、大局的な見地に立った高等教 育政策のかじ取りを文相に示す。 また、重点的に振興すべき研究領域や、将来の高等教育、学術研究のあるべき姿などに ついても論議を進めるとみられる。 科学技術の分野では、来年一月から内閣府に各省庁にまたがる政策の総合調整機関とし て、総合科学技術会議が創設される。同会議では、民間や大学以外の公立研究所などを含 めた科学技術政策全般が論議されるが、今回、文部省が立ち上げるのは、対象を大学をは じめとする高等教育機関に限った懇談会となる。