独行法反対首都圏ネットワーク

[he-forum 1130] 埼玉新聞07/23
『埼玉新聞』2000年7月23日付

県と埼玉大学・新たな連携模索 人材交流、共同研究など


 県内唯一の国立大学である埼玉大学(兵藤学長)と埼玉県が、新たな連携強

化策の検討を進めている。埼大を含め国立大学は全国的に独立行政法人化する

方針が示され、埼大も学内でさまざまな検討が進んでいる。その一方で、県も

地域のシンクタンクとして埼大の"活用策"に着目しており、今後、埼大と県の

間で情報交換にとどまらない相互の交流が活発化してくるとみられている。



 埼大と県は、これまでも教育機関としての側面から交流を進めてきたが、来

月からは初めて学部学生、大学院生約二十五人を工業技術センター、土木事務

所、長寿政策課、環境政策課などの県の現場で二週間程度受け入れ、実地で県

の行政の仕事を学んでもらう「インターシップ制度」を導入する。こうした経

験は学生の単位に認定され、正規の大学教育の一環として評価されることにな

る。



 埼大では近年、学生の就労意識が大きく変化し、実地で就労経験できること

の教育的な効果を期待している。県も新しい若い感覚を持った若者を職場で受

け入れることで、新たな行政サービスの情報源として期待しているほか、開か

れた行政を進める上でも意義があるとしている。



 埼大と県では本年度から埼大が大宮駅西口の「ソニックシティ」内で社会人

向けの学外講座を開設する際、県がソニック側と調整して事業を実施したほか、

県立浦和高校の生徒が埼大の講義を受ける場を提供されるなど、急速に新たな

連携の芽が出始めている。県では総合政策部、埼大では庶務部が窓口となり、

それぞれの連携強化の内部取りまとめ作業を進めている。



 県と埼大は先に土屋義彦知事と兵藤学長が会談した際、埼大には国立大学と

してのかなりの知的インフラが整備されており、その知的財産を一層地域貢献

に結び付けていく方向性で一致、連携を強化していくことで相互に検討を始め

た。



 県では本年度から始まる民間、学術研究機関からの「政策提案制度」の中で

「埼大枠」を設置、埼大の研究者らからの政策提案を積極的に取り入れるため

準備を進めている。将来的には県と埼大の技術・研究者を中心とした人材交流

や双方の試験研究機関との共同研究の具体的な方策などについて本年度内にも

具体的な方向性を検討したいとしている。



 さらに埼大では新年度の事業として、ソニックシティで始まった社会人向け

講座の中で、現場の教員を対象とした講座を開設したいとしており、予算要望

を行っている。実現すれば国立大学の新たな地域貢献の方策として、注目され

る事業となりそうだ。



(2000年7月23日 掲載)





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