独行法反対首都圏ネットワーク |
7月20日NHKニュースの報道内容
(2000.7.20 [he-forum 1119] 2000.7.20 NHKニュース)
he-forum ML のみなさま
今朝7時(2000.7.20 )のNHKニュースで以下のような報道がありました。
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「国立大学のいわゆる独立行政法人への移行について、全国の国立大学の半数を越える学長が、大学の自主性などが尊重されることなどを条件に賛成していることが、NHKのアンケート調査でわかりました。アンケート調査は、文部省が国立大学を独立行政法人に移行させる方針を決めたことを受けて今月行なったもので、99の国立大学の内、92の大学の学長から回答がありました。
それによりますと、独立行政法人への移行に賛成が10の大学の学長、また、大学の自主性が尊重されることや十分な予算を確保できることなど、条件が満たされれば賛成というのが58の大学の学長でした。賛成の理由としてはいずれも学科の編成などで大学の裁量が大きくなることなどを挙げています。一方反対は13の大学の学長で、理由として基礎研究など成果が目立ちにくい分野が切り捨てられるおそれがあることなどを挙げています。
文部省は国立大学が独立行政法人になると予算は教育や研究の成果が評価されて決まるなどとしています。評価の方法や人事のあり方など独立行政法人としての運営方法について、国立大学の学長などでつくる委員会で今月31日から検討を始め、来年度平成13年度中に報告してもらう方針ですが、大学関係者の一部には根強い反対の声があります。」
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「大学関係者の一部には根強い反対の声があります。」という一言があることは現状についての「公正」な報道の姿勢の表現として評価したいと思いますが、「過半数が条件付きで賛成」というまとめ方は正確ではないのではないかと思いました。この点少しだけ補足します。
アンケートの質問や回答の内容は詳しく報じられませんでしたが、昨年12月の国立大学協会が行なったアンケート調査結果
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/net/netjouti000115.html
との大きな違いはないと推測されます。「十分な予算の確保と大学の自主性尊重性」は大半の国立大学の悲願であり独立行政法人化への賛否とは独立した悲願です。裏返せば、何の法的根拠もなく世論に知られることもなく、長年に亙り大多数の国立大学の予算が実質削減され、また、大学の自主性が種々の局面でないがしろにされてきたことを証しする悲願とも言えるでしょう。
これを「過半数の学長が条件付きで賛成」と言うのは「過半数の学長が条件が満たされなければ反対」と言うのと同様の偏った表現であり、条件の二点が独立行政法人化で実現される具体的保障が全くない現段階では「無条件に賛成・反対の意見はそれぞれ約1割でほぼ同数、過半数の学長がいまなお独立行政法人化については態度を保留している」というのが事実を正確に伝える表現ではないか、というのが私の感想でした。
どう感じられたでしょうか。