独行法反対首都圏ネットワーク |
福島大学教職員組合定期大会決議
(2000.7.20 [he-forum 1118] 福島大学教職員組合定期大会決議)
福島大学教職員組合は、7月14日、第23回定期大会を開催し、下記の「国立大学の独立行政法人化に反対する決議」を採択しました。
(前中央執行委員長 北村寧)
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国立大学の独立行政法人化に反対する決議
昨年来、本組合は国立大学の独立行政法人化に断固として反対してきた。行政改革構想から生まれた独立行政法人は教育研究を使命とする大学にはなじまない制度である。独立行政法人化は、大学の自治・学問の自由の侵害、教職員の労働条件の悪化、学費値上げと教育の機会均等の蹂躙、地域の学術・教育・文化の衰退などをもたらし、一国の学術文化に深刻な影響を及ぼすと言わねばならない。
去る5月9日、自由民主党の文教部会・文教制度調査会は「提言 これからの国立大学の在り方について」を発表した。この「提言」は、少なくとも、(1)「通則法との間で一定の調整を行う調整法(又は特例法)」を規定すべきだとしながらも、内容的には通則法の枠を超えていないこと、(2)学長選考に学外の関係者を参加させる「推薦委員会」の設置等、大学の自治を侵害する「提言」をしていること、(3)高等教育に対する公的支出の拡充について、文言だけで、その具体策を提示していないこと、(4)教職員の「身分」(公務員か非公務員か)について、全く言及していないこと、等々の問題点があり、決して容認することはできない。
自民党の「提言」を受ける形で、5月26日、中曽根文相(当時)は「国立大学長等会議」において国立大学を独立行政法人化する方針を「説明」した。この「説明」は、「定員削減のための、理念なき独法化」という大学内外からの批判を意識して、「大学改革」のための独法化であることを強調しているが、「独立行政法人」の具体的内容や「調整法」・「特例法」の中身については何も明らかにしていない。文部省は、重要事項のすべてを「調査検討会議」に委ね、なし崩し的に独法化を強行しようとしている。
6月14日、国大協定例総会は、(1)通則法をそのまま適用する独法化に反対する、(2)国大協内部に「設置形態検討特別委員会」を設置する、(3)文部省の「調査検討会議」に国大協として積極的に参加する、(4)「学術文化基本計画」の策定を課題とする議論の場の設定を訴える、の4点を決定した。国大協総会に出席する学長に対し、本組合は「当該会議において、独立行政法人化に反対する意思を明確にし、その立場から積極的に対応すること。5月26日提示の独法化方針に反対すること。拙速な結論を出さず、十分な時間をかけて議論するよう最大限の努力をすること」を申し入れた。本組合としては、今後も学長および国大協に対して、文部省に迎合することなく独法化反対の態度を貫くよう強く要望するものである。
文部省は7月から「調査検討会議」を発足させ、2001年度中に結論を得ようとしている。しかし、独法化反対の声、十分な時間をかけた議論を望む声、慎重な検討を求める声は大学の内外で高まりつつある。私たちは、今後とも、独法化反対の運動を粘り強く続けるとともに、これまで国立大学が地域における学問・教育・文化の向上に少なからぬ役割を果たしてきたとの確信に立って、なおいっそう「国民のための大学づくり」に取り組む決意である。
2000年7月14日
福島大学教職員組合・第23回定期大会