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大学の「質」向上目指し新たな審議機関創設へ(7/5朝日新聞)
(2000.7.5 [he-forum 1085] 大学の「質」向上目指し新たな審議機関創設へ(朝日新聞))
◇大学の「質」向上目指し新たな審議機関創設へ◇
朝日新聞ニュース速報
文部省は、日本の大学や大学院が教育や研究活動をどのように進めていくべきか、幅広い立場から検討する新たな審議機関を創設する方針を固めた。国際競争で「頭脳立国」として生き残れるよう、大学の質を戦略的に向上させることが不可欠と判断したためだ。重点的に取り組むべき研究課題や大学運営のあり方など、長期的な視点に立った「大学政策」を打ち立てることを目指している。文部省は大学振興に道筋をつけるため、政府内で「高等教育基本計画」を策定することも視野に入れている。
文部省はこれまで、大学をめぐる問題は大学審議会(文相の諮問機関)を通して検討してきたが、学生の履修制度や入試の改善など、個別具体的な制度改正がテーマになることが多かった。これに対し、新機関では大局的な立場から議論し、進むべき方向性を示すことが想定されている。大学、大学院の教育と学術研究がバランスよく発展しているか、問題点はないかを常に検証することになる。
新機関をめぐっては、国立大が国の直轄から離れて独立行政法人になる見通しとなったことが契機になっている。
法人化すれば、予算の使い方や学内の組織編成について自由度が増すとされるが、一方で、生き残りのために産業界と連携を強化したり、学生の人気に配慮した運営を志向したりする傾向が強まることも予想される。こうした中で、大学が短期的な利害にばかりとらわれて方向性を見失わないよう、方向性を示す機関が必要だと考えられるようになったという。
新機関では、基礎研究など派手さはないが重要な分野の学部や学科、講座について、「企業との産学連携が進まない」「学生に人気がない」などの理由で廃止するような動きがあれば、再考するよう
大学側に勧告する役割も考えられている。
高等教育にかける日本の公的予算の対国内総生産比は0.4%程度とされ、1%程度を費やす米国やドイツ、フランスなどの先進国に比べると際立って低い。大学が「安上がり」になっていることに大学関係者の批判は強く、予算を欧米水準に近づける手立てについても議論されることになりそうだ。
文部省は、省庁再編で文部科学省となる来年以降、できるだけ早く設置したい考えで、大学関係者を中心に、経済界などにも参加を求めるという。
[2000-07-05-16:09]