独行法反対首都圏ネットワーク

教養中心の大学に転換を/大学審が検討提言/専門大学院の基盤にも
(2000.7.2 [he-forum 1077] 東京新聞07/01(2))

『東京新聞』2000年7月1日付

教養中心の大学に転換を
大学審が検討提言
専門大学院の基盤にも

文相の諮問機関「大学審議会」(会長・鳥居泰彦慶応大学長)は三十日、専門分野ごとに分かれている大学や学部を、教養教育を中心とする組織に転換するよう検討すべきだとした「審議の概要」をまとめた。教養中心の大学(学部)は、弁護士や医師を養成する新しいタイプの専門大学院の基盤にも位置付けており、学部段階で幅広い教養を身に付けて大学院で専門知識を学ぶコースが将来、普及しそうだ。
「概要」では「地球社会の一員として活躍する人材には、教養と専門知識が必要だ」と、教養教育を充実させる必要性に言及。「教養」の中身として、(1)深い倫理的判断と高い責任感を持って行動する成熟度(2)自国や地域の伝統、文化を深く理解し説明する能力(3)外国語によるコミュニケーション能力(4)情報を上手に使いこなす力(5)広い科学的知識とそれに基づく判断力―の五点を挙げた。
一方で、一九九一(平成三)年の大学設置基準の大綱化で一般教育(教養)科目の必修を外して以来「大学生と卒業者の教養の低下が進んでいる」と心配する声を紹介。「知的リーダーシップを有する人材」の育成のために、教養を重視する方向で学部教育を見直すよう求めた。具体策としては、学部や学科の枠を超えた横断的な教育課程を編成したり、複数の専攻科目を学べるようにすることなどを例示。教養中心に学ぶ「教養大学・学部」に改組・転換する必要性も併せて指摘した。



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