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慎重に意見集約 京大/国立大の法人化方針受け(5/29京都新聞)
(2000.5.30 [he-forum 952] 京都新聞05/29)
『京都新聞』2000年5月29日付
慎重に意見集約 京大
国立大の法人化方針受け
文部省が二十六日、国立大学を法人化する方針を正式に表明したことで、京滋の各国立大学でも法人化に向けた論議が活発化しそうだ。
京都大では、昨年夏に副学長と学部長らをメンバーとする「設置形態検討会」を発足。法人化を含め、将来の研究教育や予算のあり方などについて内部で話しあってきたが、京大としての統一した見解はまとめていない。昨年末からは、京大や東京大や大阪大など国立七大学の副学長会議で、法人化への対応を検討している。
京大の長尾真総長は、法人化については「予算が減るのではないかという心配はあるが、予算の使い方や人員配置など大学の裁量が広がるなどのメリットがある」と一定の評価をしている。しかし、法人化にあたっては学長の選考方法などの改革について、「大学自治が損なわれ、学問の自由を尊重する京大にはふさわしくない」として学内からの強い反発も予想される。このため、京大全体の意見集約については、今後も慎重に進める方針だ。
京都教育大では、教授会で検討を進めているが、今後は近畿の他の教育系大学とも話し合う見込み。京都工芸繊維大では、学長を委員長とする「大学将来計画委員会」で今後の対応を検討するという。
滋賀大の川嶋宗継副学長は「週明けにも大学の最高決議機関である評議会を開いて対応を考えたい。独立法人化になれば(研究費などの面で)厳しいと思うが、研究に支障が出るようなことがあれば大学としては致命的だ」とし、滋賀医科大は「詳しいことは聞いておらず、学長からの報告を待ちたい」と話している。