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教員養成大学、学部の削減・再編に着手へ(6/21読売)
(2000.6.21 [he-forum 1046] 教員養成大学、学部の削減・再編に着手へ(読売))

 教員養成大学、学部の削減・再編に着手へ

読売新聞ニュース速報

 少子化による教員採用の激減を受け、文部省は二十一日までに、全国に四十八ある国立の教員養成大学、学部の再編に着手する方針を固めた。来月にも有識者らによる協力者会議を発足させ、教育大、教育学部の統廃合や、他学部への改組転換などを軸に論議を進める見通し。養成課程卒業者の教員就職率が三割に落ち込み、本来の役割が薄れている実態や、国立大の独立行政法人化も踏まえた対応で、「エリート校」化が指摘される付属学校の在り方なども併せて検討する。同省が国立大学再編の検討に乗り出すのは初めて。
 国立の教員養成課程は、上越教育大と新潟大に教員養成の学部がある新潟県を除き、全都道府県に一学部ずつ配置されている。このうち単科の教育大は、東京学芸大、大阪教育大、京都教育大など十一校。東大、京大など旧帝大の教育学部は研究が目的で、性格が異なる。
 どの県にもある学部は教員養成のほかには医学部(一部公私立大を含む)だけで、文部省内でも「交通、通信手段が発達し、教員採用も減っている折、多過ぎるのでは」との声が上がっていた。
 協力者会議は、「一県一養成課程」の体制を抜本的に見直す方向で検討を始める。具体的には、地域ごとに拠点となる教育大学、学部を決め、そこに複数の教育大、学部を統合する方式が軸になる見通し。教育学部の数は相当減ることになるが、同省では、養成課程の質向上のためにも、拠点校への統合は有効と見ている。また、各学部が全教科の教員を養成する今のやり方を改め、大学により「理系の教員育成」「文系の育成」といった形に専門化し、スリムな組織にすることも想定されている。
 近年広がっている、教育学部にありながら教員免許の取得を目的としないコース(ゼロ免課程)についても扱いを再検討。大学によってはゼロ免課程に一本化し、広く教養を学ぶ学部などに全面転換することも促す方向だ。
 国立の教員養成課程卒業生の教員就職率は、一九八〇年前後は八割近くだったが、昨年度は臨時採用などを含めても32%にまで落ち込んだ。今後も少子化は続く上、社会人や退職教員の採用が増えることから、新卒には厳しい状況だ。国立大の統合は、山梨医大と山梨大、香川大と香川医大が検討を進めているが、医大と地元大の場合は教員の削減につながらないため、いずれも自発的に取り組んでいる。一方、教員養成大の場合は教員数の削減が避けられず、現場の反発も予想される。同省では協力者会議で大まかな方向を打ちだした上、具体化には長期計画で臨むことになりそうだ。
 また会議では、「お受験」の過熱も指摘される国立大付属幼稚園、小、中学校などについても、配置や入試の在り方などを論議する。

[2000-06-21-15:46]



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