独行法反対首都圏ネットワーク |
弘前大学職員組合の学長宛要請文
(2000.6.17 [he-forum 1033] 弘前大職組の要請文)
弘前大学職員組合の学長宛要請文です。
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2000年6月9日
弘前大学
学長 吉田 豊 殿
弘前大学職員組合
国立大学の「独立行政法人化」問題に関する要請
5月26日に行われた国立大学・大学共同利用機関長等会議において、文部省は、「国立大学を独立行政法人化する方向で、法令面での措置や運用面での対応など制度の内容についての具体的な検討」に着手するという「方針」を明らかにしました。同時に、文部大臣の諮問機関「今後の国立大学等の在り方に関する懇談会」の下に調査検討会議を設置し、2001年度中に制度設計終了、2002年度通常国会で法案成立をはかり、2003年度から約10年で独立行政法人への移行を完了させる、というスケジュールも提示しました。
これに対して、私たち弘前大学職員組合は、本日6月9日に行われた第33回定期大会において、大会決議「国立大学の『独立行政法人化』に改めて反対する
―5月26日『国立大学長等会議』をふまえて ― 」(別紙)を採択しました。
今回の文部省の「方針」に対し、私たちがこれを容認できない、反対を表明する、とした理由は、以下の通りです。
(1)文部省「方針」は、国立大学の法人化に関する明確で具体的な制度設計がなされないまま、「独立行政法人」への移行だけが見切り発車的に表明されたものであること。
(2)文部省は、昨年春以来、大学関係者や国民の側から繰り返し指摘されてきた「独立行政法人通則法」に基づく国立大学の独立行政法人化への批判に対して、具体的に答えず、抽象的に「大学の特性に配慮した、法令面での措置や運用面での対応」を唱えるだけであること。
(3)そもそも「独立行政法人」制度は、国が人事面での大きな権限を握ったまま、「評価」システムと連動させて「上」からの予算・資源配分を行うものであり、大学間の重層的な「格差構造」を一層拡大し、大学の再編・淘汰につながる危険性をもっていること。文部省自身そうした意図を隠していないこと。
(4)文部省は「今こそ、国立大学にふさわしい形での法人化の可能性について、真剣に検討する時期にある」と言いながら、実際には、行財政のスリム化を目的とした「行政改革」から出てきた現行「独立行政法人」通則法の大学への適用に固執していること。文部省が設置するとした「調査検討会議」についても、その構成や検討の進め方等、不透明であること。
私たち弘前大学職員組合は、この第33回定期大会決議を、弘前大学構成員の意思として学長に提出するとともに、6月13・14日に予定されている国大協総会や、15日の全国国立大学長等会議の場において、学長が次のような姿勢を貫かれることを、要請するものです。
(1)文部省が進める「国立大学の独立行政法人化」の方針に対して、今後とも反対の姿勢を貫くこと。
(2)文部省が「調査検討会議」で進めるとしている検討作業に対しては、その徹底した公開を要求するとともに、適切な批判活動を行い、密室審議にならないよう、国立大学の学長として可能な最大限の努力を行うこと。
(3)弘前大学の全構成員に対し、「国立大学の独立行政法人化」問題の情報提供につとめること。