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国立大・医大の統合検討/山梨など4県/文部省、地方移管を視野(5/23朝日新聞)
(2000.5.23 [he-forum 910] 朝日新聞05/23)
『朝日新聞』2000年5月23日付
国立大・医大の統合検討
山梨など4県
文部省、地方移管を視野
国立大学の独立行政法人化が確定的だが、大分、宮崎、香川、山梨の各県でそれぞれ、国立大と国立医科大が統合を検討していることがわかった。厳しい財政事情で運営の効率化が求められるなか、統合で運営コストを抑えるとともに、一大学としての教員数を増やし、教育と研究の質を向上させるねらいがある。一方、大学再編を重要課題と位置づける文部省は、国立大の運営を地元自治体にゆだね、公立大学化する「地方移管」を視野に検討している模様だ。今後、大学は本格的な再編の時代に入る。
朝日新聞社の調査では、(1)大分大と大分医大(2)宮崎大と宮崎医大(3)香川大と香川医大(4)山梨大と山梨医大―で統合に向けた動きが出ている。
大分では医大側の検討が先行しており、教授会の下に委員会を置いて議論する。宮崎大と宮崎医大は五―六年前から非公式な連絡協議会を設け、連携を探ってきた。香川大は、四月の評議会で統合の検討に入ることを決めた。山梨大と山梨医大の構想は最も進んでおり、二〇〇二年春の統合を目指すという。
国立の医学部単科大学は全国に十一大学あり、そのすべてが「医学部がない県を無くす」という政策のもとで一九七三―七八年につくられた。単独大学である以上、教養教育のための教員をそろえねばならないが、統合すれば効率的な運用が可能になる。
「国立大の地方移管」という考えは、大学再編を進める手法として浮上した。文部省内には「九十九という国立大の数は多すぎる」という意見がある。一部を自治体にゆだねれば、残った大学に予算を重点配分できるという思惑があるとされる。公立大には地元の国立大と違う学部・学科を置いているところが多いため、運営を自治体に移管した上で既存の公立大と統合する、という考え方もある。
ただし、受け入れ側の自治体側も財政難の上、当事者の大学側に反発が起きることも予想され、先行きは不透明だ。