独行法反対首都圏ネットワーク

日本科学者会議山形支部決議
(2000.5.22 [he-forum 907] 日本科学者会議山形支部決議)

高等教育フォーラム 読者各位 5/22/00

 日本科学者会議山形支部は、5月13日に定期大会を行い、その席上で国立大学の独法化に反対する決議をあげました。これは、自民党文教制度調査会が「提言」をまとめ、その線に沿って、文部省が動きを強めてくる可能性が強まっていることをうけて行われたものです。以下に決議の全文を紹介します。

2000年5月13日

国立大学の独立行政法人化に反対する決議

日本科学者会議山形支部大会

 昨年9月20日に開催された全国国立大学長等会議で文部省が、国立大学の「独立行政法人化の検討の方向」を発表以来、全国の国立大学の教職員の間で、独立行政法人化に反対する運動が急速に広がりました。全国の大学で教授会等の意見・決議・声明(23件)、地方紙への教職員有志による意見応答(21件)、国立大学理学部長会議、人文学部長会議、日本数学会をはじめ、多数の学協会もこぞって反対の意思表示を行いました。山形大学では、学長白身が記者会見で独立行政法人化に強い懸念を表明(10/9山形新聞)、また人文学部教授会が反対の見解(10/13)を明らかにしました。また、日本科学者会議山形支部は山大職組や独立行政法人化に関心をもつ個人と共同で独立行政法人化間題山犬ネットワークを立ち上げて、学習会、署名活動、県民へのアピール発表、意見広告のための募金活動、地方自治体議会への請願活動など、学内外で反対運動を展開してきました。全人教が取り組んだ国立大の独法化反対の署名は25万筆を越えました。
 このような広範な大学人の反対運動の発展と急速な世論の盛り上がりを一定程度反映したかたちで、内民党文教制度調査会は、今年5月9日に国立大学の独立行政法人化に関する「提言」を発表しました。二の「提言」では、高等教育に対する公的投資を拡充する、法人の名称を「国立大学法人」とするなど、一見、大学人の要求を取り入れた形になっています。しかし、重要なことは、本「提言」が独立行政法人通則法を前提とした特例措置、「特例法」を基本にしたものであり、重大な問題を含んでいます。
 「提言」では、教員に任期制の積極的適用、学長選挙に学外者が加わる制度、業績評価に専門分野の研究者以外の参加を提案するなど、見過ごすことのできない極めて危険な内容を含んでおり、我々は、本「提言」に沿った国立大学の独立行政法人化には、断固反対です。一また、政府文部省が、自民党文教制度調査会の発表した本「提言」に沿って、国立大学の独立行政法人化を進める可能性について強い懸念をもっており、今後とも反対運動を強化する決意であります。
 現在、人類と日本社会は地球規模の問題をはじめ、多くの社会問題・病理現象を抱えており、「学術・文化の中心」として、大学がそれらの解決に向かって果たすべき役割には非常に重大なものがあります。そのためには高等教育への欧米なみの公的支出を早急に実現するとともに、過度の競争的資金の重点的投資ではなく、研究教育基盤のすそ野の広い充実を保障するため予算配分にさいしてのミニマム基準の確立こそが、高等教育改革のまず最初にとられるべき措置だと我々は考えます。
 以上、日本科学者会議山形吏部定期大会の名において決議します。



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