独行法反対首都圏ネットワーク

九大教職組が学長に緊急要請(5/17)
(2000.5.18 [he-forum 899] 九大職組 学長に緊急要請)

 九大職組は、5/17日に学長へ下記の「緊急要請」を行いました。
 この申し入れと同時に自民党文教部会の提言「これからの国立大学の在り方」批判も渡したそうです。(東職 佐々木)

<ここから緊急要請>

平成12年5月17日

九州大学学長
杉岡洋一殿

九州大学教職員組合
執行委員長 酒匂一郎

国立大学の「独立行政法人化」に関する緊急要請

 先頃、自民党文教部会・文教制度調査会が「提言 これからの国立大学の在り方」という提言を公表したことは、ご承知のとおりであります。この提言は、同調査会の高等教育研究グループの提言案に若干の修正を加えたもので、自民党内の意見をとりまとめたものとされております。文部省もこの提言を尊重する意向が伝えられており、来る5月25日に予定されている全国学長会議において、同提案の方向での国立大学法人化の方針を提起するものと予想されております。さらに、この文部省の提起を受けて、6月13日・14日に予定されている国大協総会において議論がなされ、国大協としての何らかの態度が表明されるものと思われます。

 上記「提言」は、「通則法のもと」での国立大学の独立行政法人化に対する大学関係者の「強い警戒感と不信感」に一定の配慮をみせて、大学における教育研究の特性、大学の主体性、地方国立大学や基礎研究の意義・役割などを尊重する趣旨の文章を含んでいます。しかしながら、中期目標・計画の設定、その達成度の第三者評価機関による評価、それに基づく(統廃合も含む)予算配分等の措置、という通則法の基本原則には変更はありません。目標・計画の設定において大学の主体性が尊重されるようにみえるものの、評価機関の評価が大学の特性や多様性に対応したものとなる保証はなく、定量的・画一的な評価基準によって「競争的経費」の傾斜的配分がなされる可能性は高いと思われます。このような評価と予算措置との強い結合は、結局、目標・計画の設定における大学の主体性を大きく損なうことになると懸念されます。のみならず、文教制度調査会の「提言」は、高等教育研究グループの案と比較しても、政府・主務省の大学に対する介入を強める方向を示しています。通則法を「100%そのまま」国立大学に適用することは不適切であるとし、通則法に対する「調整法」もしくは「特例法」による法人化を進めることを提言しているものの、その実際はまさしく「通則法のもと」での「独立行政法人化」を推し進めようとするものに他ならないといわざるをえません。その他「国立大学の運営の見直し」や「国立大学の組織編成の見直し」の諸点においても、「提言」とその方向での国立大学の法人化は、創造性に富んだ個性ある高等教育研究の展開へ向けた大学の主体的な改革努力にとって、むしろ阻害的に作用するものと思われます。

 九州大学教職員組合は以上のような観点から次のように要請申し上げる次第です。

 (1) 通則法のもとでの独立行政法人化に対するこれまでの反対の姿勢を堅持し、「提言」の方向での国立大学の法人化に対しても反対していただきたい。
 (2) 来る全国学長会議および国大協総会においても、上記1.の見解を表明し、内外にアピールしていただきたい。
 (3) 国立大学における教育研究の真の意味での改革へ向けて、情報の開示と活発な議論の喚起に努めていただきたい。



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