独行法反対首都圏ネットワーク

3国立大(岩手、秋田、弘前)が単位互換構想
(2000.5.13 [he-forum 884] 岩手日報05/12)

『岩手日報』2000年5月12日付

3国立大が単位互換構想
【朝刊 1面】

 岩手、秋田、弘前の国立3大学が、魅力ある大学づくりの一環として、単位互換制や共同研究の実現など教育・研究分野での連携を構想していることが明らかになった。既に学長間では大筋合意。6月早々にも事務レベルで具体化に向けた本格協議を始める。単位互換は早ければ平成13年度にスタートする。
 少子化などを背景に、大学は国公私立を問わず「連合の時代」を迎えている。北東北の3大学の機能を相互に補完、競争力を高める方策として今後の進展が注目される。

 3大学の連携構想は、今年2月、弘前大の吉田豊学長が呼び掛け、岩手大・海妻矩彦、秋田大・徳田弘の3学長が盛岡市内で初会合。4月中旬には秋田市で2度目の会合を持ち、連携の方向で合意した。

 背景には、少子化や国際化の進展、生涯学習思想の普及による学習ニーズの高まりがある。新たな時代に対応するため、大学改革が急激に進み、大学間競争も激化している。

 海妻岩手大学長によると、3学長は「各大学の独立を尊重しながら相互に協力する」ことで合意。連携の具体案として▽教養課程での単位互換▽共同研究の推進▽短期留学生受け入れによる国際化推進−の3事業を柱に今後、実施条件や手法など協議する。

 単位互換は、他大学で修得した単位を自分の所属する大学の単位として認める制度。今回の連携構想では13年度実施も念頭に、他事業に率先して実現に取り組む方針だ。

 岩手大の海妻学長は「改革の流れの中で、意識的に大学のあるべき方向を定めていくことが重要。3大学が相互に刺激し合うことで、よりよい環境づくりに努めたい」と意欲的だ。

 大学間の連携をめぐっては、一橋大や東京工大など東京都内の国立5大学が、教養教育の共通実施や編入学の特別枠設置などを柱とする「5大学連合」結成へ向けて協議をスタートさせるなど各地で取り組みが本格化している。

 県内でも今年3月、岩手大と県立大、岩手医大、富士大、盛岡大による県内5大学の学長会議が発足。単位互換や共同研究、図書館の相互利用など視野に交流を深める計画だ。

 【岩手大】 学部は教育、人文社会科学、農学、工学の4学部で学生は計5,532人。大学院は5研究科で計813人。

 【秋田大】 平成10年に鉱山学部を工学資源学部に、教育学部を教育文化学部に改編した。医学部を含めた3学部の学生は計4,128人。大学院は3研究科に計552人。

 【弘前大】 平成10年に理学部を理工学部に、農学部を農業生命科学部に改編した。人文、教育、医学部を含めた5学部の学生は計5,348人。大学院は5研究科に計531人。



目次に戻る

東職ホームページに戻る