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国立医大6校、地元国立大との統合に前向き(5/9読売)
(2000.5.10 [he-forum 878] Yomiuri On-Line
05/09)
Yomiuri On-Line 2000年5月9日付
◆国立医大6校、地元国立大との統合に前向き
国立の医科大学十三校のうち、少なくとも六校が地元の国立大学などとの統合に前向きな姿勢を示していることが八日、わかった。読売新聞が各大学の学長らから聞き取り調査したもので、すでに統合に向けて協議することを明らかにしている山梨医大、香川医大に加え、宮崎医大と宮崎大、富山医科薬科大と富山大も非公式ながら学長レベルで意見交換を行っている。大分医大など二大学も「今後検討したい」との姿勢を示した。少子化対策や国立大の独立行政法人化への移行をにらんだ再編の動きとみられる。
全国には国立の医科大が十三校あるが、東京医科歯科大以外の十二校は政府の「無医大県解消計画」にもとづき、一九七五年前後に次々と新設された。
この中で、山梨医大と山梨大が「統合推進」をそれぞれ機関決定。今月二日、両学長による統合推進に関する合意書の調印式が行われた。二〇〇二年度を目標に具体的な検討を進める。実現すれば、国立大では初のケースとなる。
香川医大と香川大も、統合に向けて検討を始めている。いずれも、事務部門の効率化や研究分野の拡大、医大側は教養教育の充実などのメリットがあるという。一方、宮崎大と宮崎医大は組織的な検討はしていないものの、双方の学長が統合問題について意見交換をしている。富山大と富山医科薬科大も非公式ながら、学長間で意見交換中。
総合大学側は「生命科学などの分野で研究を融合すれば、新たな展開の可能性がある。入試など合理化のメリットも大きい」(富山大)、「医学部を持つ総合大学になれば地域に様々な貢献ができるし、予算面の効果も期待できる」(宮崎大)と、かなり意欲的。一方の医大側は、「統合のメリットがあるか調査しているところ。可能性についてはまだ何ともいえない」(宮崎医大)など、やや慎重な姿勢を見せている。
さらに、大分医大と大分大は、ともに統合について「今後検討したい」と回答。このほかの地域でも、総合大学側が県内の医大との統合に意欲を示しているケースがある。
自民党の教育改革実施本部は三月末に出した提言案の中で、「国立大の再編統合を推進すべきだ」としており、文部省も合理化の観点から、統合を基本的に支援する立場だ。
地方の国立大には、独立行政法人化に対する不安が強いが、医科大と統合すれば既存学部との重複がないため教員のリストラにはつながらず、病院収入が見込めることから、学内でも同意が得やすいという事情がある。医科大側も、医師過剰の将来予測から医学部の学生が削減される傾向にあることを踏まえ、総合大学との統合に活路を見いだす狙いがあるとみられる。
(5月9日3:13)