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国立大法人化 学長選考に外部委員参加
自民部会提言 選別・淘汰を容認(5/9日経新聞夕刊)
(2000.5.9 [he-forum 877] 日経新聞夕刊05/09)
『日本経済新聞』2000年5月9日付夕刊
国立大法人化 学長選考に外部委員参加
自民部会提言 選別・淘汰を容認
国立大学を国の行政組織から分離する独立行政法人化問題で、自民党文教部会と文教制度調査会は九日、大学の自主性に配慮し、一般行政事務の効率化を目的とした「独立行政法人通則法」を全面的にはあてはめず、特例法なども制定したうえで法人化する提言をまとめた。独自の法律を適用すべき対象として、教授会などの組織や研究目標、外部機関による業績評価などを挙げている。一方、学長人事に関し、「必ずしも適任者が選ばれていない」として学内の評議員に、学外のメンバーも加えた「推薦委員会」を設置し選考するよう求めている。
教授会や研究目標 特例法を規定
提言は、「二〇〇一年度中に具体的な法人像を整理する」としており、文部省は今後、国立大学長、私学関係者や大学以外の有識者で構成する検討グループを設置し、提言に沿った特例法案を年内にもまとめる方針だ。
独立行政法人の共通規範を定めた通則法は、法人の役員は主務大臣が任命▽大臣が法人の中期目標を策定▽外部機関が法人の業績評価を行う――ことなどを柱としている。
提言はこの通則法をそのまま適用せず、大学の主体性を尊重して(1)評議会、教授会など学内組織(2)教育研究の目標・計画の策定(3)業績評価(4)学長人事(5)名称――の五項目に関しては通則法との間で一定の調整を行う調整法または特例法を規定すべき」と結論付けた。
国立大学協会は、「大学に一般事務と同じモノサシをあてるのは論外」として大学にふさわしい運営・制度を別の法律で手当てするよう求めていた経緯がある。文部省は「提言は妥当な内容で関係者の理解も得られる」とみており、二〇〇三年度以降、国立大を国の行政機関から分離し、独立法人化する考えだ。
ただ提言は、高等教育予算の拡充を訴える半面、伝統的な「教授会の自治」について「既得権の擁護に終始している」と批判。学長選考方式の見直しを迫ったほか、大学の再編統合は国の責任で行い「選別と淘汰(とうた)も避けられない」としており、憲法の保障する大学の自治との関係で論議を呼びそうだ。