独行法反対首都圏ネットワーク |
自・文教部会・文教制度調査会
教育改革実施本部 高等教育研究グループの概要
日時:平成12年3月9日(木)8:30〜9:50
場所:自民党本部リバティークラブ4号室
出席:麻生太郎(主査)、政調事務局松本氏ほか(敬称略)
鳥居泰彦慶應義塾大学長、奥島孝康早稲田大学長、武田建関西学院大学理事長
(1)主査挨拶
(2)高等教育政策について、各学長から意見陳述があった。
(鳥居慶応義塾大学長)
・高等教育において人間教育を行うべきだ。
・エリート教育・ユニバーサル教育・生涯教育など、高等教育の機能分
化を進めるべきだ。
・複線型教育システムや再教育を容易にできるシステムの構築が必要だ。
・日本の科学技術の遅れははなはだしい。
・研究重視の大学の原因となっている教授会の在り方を抜本的に改めるべきだ。
・教授会は国立について昨年法整備が行われたが、公私立については問題が残る。
・私学助成予算の充実や税制に法制面を含め配慮していただきたい。
・国立大学の独立行政法人化は、大学が法人格を持つという意味で進めるべきだ。
・独立行政法人の検討にあたっては、私立学校法も参考にしてはどうか。
・21世紀の日本の高等教育を考える上で、大学人の自己改革と制度の抜本的改革が特に重要だ。
(奥島早稲田大学学長)
・国立大学の失敗は全国に同じような大学を作ったため、各大学の特色が出にくいことだ。
・独法化問題は、その意図が自分で少しは稼げということにあるとすれば、国立大学にとって問題だが、アイデンティティが確立できるという点は良い。
・私学を含めて教育予算の拡充に配慮していただきたい。
・高等教育に対する国費支出を拡充するとともに、税制など、大学の工夫で資金を獲得しやすい環境を作っていただきたい。
・先端研究に膨大な投資がなされることは良いことだが、地域や民族のアイデンティティ、日本人の誇りなどに目配りが足りない。
・それぞれの土地柄にあった小規模の研究にも光を当てて支援する必要がある。
・留学生を日本から20万人くらいアジアに派遣するような取り組みが必要だ。
・留学生施策は、受け入れだけではなく、むしろ送り出し中心に転換すべきだ。
(武田関西学院大学理事長)
・これから重要なのは、2年前の大学審答申で示された提言を実現していくことである。
・学生が参加できるような授業を行うべきだ。
・大学改革を行う際一番の問題は、大学の自治の中心である教授会の存在だ。
・教員の補充は、大学院生で海外留学している者を採用するのが、大学改革を進める上で良い。
・留学生施策について支援いただき、より多くの学生を海外に派遣すべきだ。
・海外研究者を多数日本に招き入れる際に重要なのは、施設・設備を充実させたり、ホスト役の教員を作ることだ。
・設置形態の如何を問わず、国が大学の支援を行い、各大学間に公正な競争が行われるようにすべきだ。
・国立大学の独立行政法人化によって、大学が独自性を高めるためには、やや私学に近づける必要がある。
(3)議員からの主な質問等は以下のとおり。
○リベラルアーツは重要であり、多くの大学で教養部が廃止されるなど教養教育の実施体制が弱体化しているのは問題だ。
○教育より研究が重視されるという傾向は、最近、改められているか。
○かつての日本人はハングリー精神があったが、「ひよわ」になってしまった。大学では、知識を教えることも必要だが、国際社会で生きていくための力を身につけさせることも必要だ。
○私学助成の額は増やすべきだが、学生数によって配分する方法を改め、もっと重点的な配分方法を検討すべきだ。
○企業や個人の大学に対する寄付をより促すための環境を整えるべきだ。
○プラン・ドゥー・シーのプロセスのうちシーの部分にあたる評価が、大学には重要だ。
○大学の評価を行うにあたっては、研究教育の評価の他、社会的貢献の視点も重要だ。またそのような評価の結果にもとづく助成のあり方も検討すべきだ。
○外国人教員を受け入れるにあたっては、処遇を日本人並にすべきだ。