独行法反対首都圏ネットワーク

前橋市議会が意見書を採択
(2000.3.29 [he-forum 755] 前橋市議会が意見書を採択)

 群馬大学教職員組合が前橋市議会に求めていた独立行政法人化についての意見書が、3月28日の本会議で、全会一致で採択されました。
 群大職組では当初、請願の形で意見書の採択を求めようとしましたが、請願ではほとんど可決の可能性がないことが分かり、より可能性の大きい議員自身の提出する意見書の形で意見書の採択を求めることにしました。幸い、群大出身の2議員(共産党と市民フォーラム)がそれぞれ会派をまとめて意見書を提出してくれることになり、組合でも他の5会派に出向いて協力依頼を行ったところ、うち3会派が賛成してくれることになり、その結果、群大提出の意見書案をもとに5会派共同提出の「------再検討を求める意見書」が議会に提出されました。
 その時点では、まだ反対の2会派が多数を占め、採択が危ぶまれましたが、うち1会派への依頼を重ねたところ賛成に立場を変え、最後は残る1会派も賛成に回り、全会一致での採決となりました。その過程で「------再検討を求める意見書」が「------検討を求める意見書」になり、最後の部分の「----再検討することを強く要望する」の部分が「----慎重に検討することを」に変えられ、趣旨が弱められたことは残念でしたが、今回の動きが今後の地方議会の動きのきっかけになればと思います。
 採択された意見書は下記の通りです。
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国立大学制度の廃止及び独立行政法人化について検討を求める意見書

現在、政府・文部省においては国立大学制度を廃止し、国立大学を独立行政法人化しようとする動きが急である。他方、国立大学協会を初めとして全国の大学では独立法人化に対する危惧の声が広がっている。とりわけ地方国立大学においてその声は強い。
国立大学の「独立行政法人化」は、国の制度である国立大学を廃止して「独立行政法人」とし、民間企業のように経済効率に基づいた経営を行おうとするものである。それは授業料の大幅な値上げを不可避とし、経営基盤の弱い地方の国立大学の存立を脅かしかねない側面をもつ。これまで地方の国立大学は比較的安い費用で地域における高等教育の機会を保障し、広く人材を育成し、地域の産業や経済、教育・文化や医療の発展に貢献してきた。もし、独立行政法人化によって地方国立大学の果たしてきたそれらの役割が困難となるなら、それは地域社会の発展にとって極めて大きな禍根を残すことになる。地方分権や地方の時代が唱えられる今日こそ、各地域にバランスのとれた高等教育の発展が望まれており、その点で国立大学の独立行政法人化は時代の要請に逆行するものとなりかねない。
 国立大学の設置形態の変更に当たっては、経済効率ばかりでなく、高等教育に対する国民の要求、国の責任などとあわせて、多角的な観点から慎重な検討が重ねられる必要がある。事は21世紀の日本における高等教育の根幹にかかわる問題であり、国立大学制度の廃止及び独立行政法人化の方向について慎重に検討することを強く要望する。
 以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。

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平成12年3月 日
 内閣総理大臣
 文部大臣   あて
 総務庁長官
 自治大臣
                      前橋市議会議長 鈴 木 勝 次



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