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広島大理学部が4月から新体制/3/22中国新聞
(2000.3.28 [he-forum 753] Chugoku Shinbun 03/22)

『中国新聞』2000年3月22日付

広島大理学部が4月から新体制

 広島大の二十一世紀をにらんだ改革の一環として、理学部(松浦博厚学部長)が二年間かけ取り組んできた「大学院の重点化」(組織改編)が今月末で完了する。新年度から、教授の所属する組織が学部から大学院理学研究科に変わり、日常の研究活動の拠点は大学院に移る。

 大学院の重点化は、進歩の著しい研究最前線と、基礎に重点を置く学部教育との間にあるギャップを解消し、研究現場に合わせた組織をつくるのが狙い。教授、助教授、講師などが縦系列となっている従来の小講座制から、テーマを多角的に研究できる大講座制に移行するなど、新しい研究に取り組みやすい体制も整える。

 例えば、同研究科の数理分子生命理学専攻は、従来の遺伝子科学専攻に数学、科学の各専攻の一部が加わって誕生した。また、物理科学専攻の場合、素粒子論、流体物理学、固体物理学、原子核物理学の小講座が、宇宙・素粒子科学の大講座でまとまり、高エネルギー・宇宙学などの授業科目を新設する。

 こうした分野は、高校教育の延長にある学部教育に対応した組織では、なじみにくかった。新しい体制では、教官は大学院の組織に属して最先端の研究に取り組みながら、学部の教育も担う形となる。基幹講座の教官数百五十四人は変わらない。

 全国の三十二国立大学の理学部のうち、既に先行実施している東京大や京都大を含め、今月末までに十大学で重点化が完了する。四月一日付で理学研究科長兼学部長となる松浦学部長は「大学の独立行政法人化に対応し、研究実績を上げる体制を整えた。学部教育の内容も充実する。他学部にも波及することを期待したい」と話している。



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