独行法反対首都圏ネットワーク

自民党奥山議員のページから3月22日付の記事
(2000.3.23 [he-forum 726] 奥山議員のページ(2))

自民党奥山議員のページから3月22日付の記事です。

 http://web.kyoto-inet.or.jp/people/okiya/kokkai178.htm

< 自民党文教部会 高等教育改革プロジェクト 国立大学のあり方について >  

 私は今、自由民主党の高等教育研究プロジェクトチームのメンバーとして「これからの国立大学のあり方」に関して、国公立及び私大学の学長からそれぞれ意見を聞くと同時に、文教関係(元文相も入って)の議員を中心に議論を重ねています。

 特に私が委員として正式の大学卒生ではありませんが、外から見た大学について見解を述べるよう要請を受けて研究グループに入っています。正式な委員は有馬前文相、町村元文相の他、森山真弓文教制度調査会長などであり、座長は麻生太郎元経済企画庁長官です。

 私は、特に現在の大学生が我々の時代と比べて、あまりにもひ弱すぎないかと思ってきました。早稲田大学の阿部学長は、この現象を「ひ弱な日本人」という表現で心配されておられました。

 私は青年達が21世紀の日本を本当に荷うだけの精神力を持っているか心配してきました。親離れができずに親のスネかじりで大学へ通い、勉強より遊びが主になっている大学生。少子化の進行の中で、上手な人間関係をつくるのが下手で甘やかされて育ってきたために、忍耐力がさっぱりないのが現在の学生像であります。

 高等教育においても、いかにして精神的にも経済的にも自立し、たくましく生きる力を持った青年を育成するかが、高等教育の使命ではないかと主張してきました。 

<論点例>

 この度の大学改革のために、参考人の方々からの意見等の論点が浮き彫りになりましたので、その要点を上げて見ました。


---------------------------------------------------------------------

  これからの国立大学の在り方に関する論点例

1.今後の高等教育政策の在り方
○大学の国際的な競争力の強化
・これからの日本の大学の競争相手は国外の大学である。
・日本の大学は国際競争力を失っている。
・日本の科学技術の後れははなはだしい。

○大学の多様化・個性化の推進
・研究大学、教育型、教養重視型など類型化が必要。
・高等教育の未分化から日本の大学は脱する必要。
・地方の産業文化を支える大学として多様化が必要。
・600の大学の個性化を前提に政策を進める必要。

○大学間の競争的環境の整備
・競争になじまない分野以外は大学にも競争原理が必要。

○高等教育・学術研究への公的投資の拡充

○国立・公立・私立の役割分担
・国公私の役割分担への配慮が必要。
・国公私立の役割分担の明確化が必要。

○私立大学に対する統制緩和の堆進。
・国に対するより、民間に対する規制緩和が必要。

2.国立大学の運営の見直し
○護送船団方式からより競争的な環境へ
・国立大学は保護され過ぎ。護送船団方式は問題。

○国立大学の経営体制の見直し
・自立した経営体としての能力を高める必要。

○学長選考の選任方法の見直し

○社会に開かれた運営の実現
・教官が研究室にこもっている。社会に開かれた大学に。
・大学の持っている頭脳を社会に広く提供する必要。

○任期制の積極的な導入
・教官任期制は徐々に拡大しつつある。
・教官任期制の導入は学長のリーダーシップ次第。

○基礎研究など重要な教育研究分野の確保
・直接社会に役立たない学問は国が担う必要。
・基礎学問は大学や政府が責任をもって確保する必要。
・市場性が無くとも国策として行うべき研究もある。

○地方における国立大学の役割の維持強化
・海外の大学は地域社会貢献も熱心。日本も努力必要。
・地域における地方国立大学の役割は極めて大きい。

3.国立大学の組織編成の見直し
○様々な種類の国立大学の併存の必要性
・研究大学、教育型、教養重視型など類型化が必要。
・国立大学の失敗は全国に同じような大学を作ったこと。

○学部規模の見直し
・学部教育を小さくすることには賛成(廃止は反対)。

○大学院への一層の重点化
・大学院の規模の拡大には賛成。

○ 国立大学間の再編統合の推進。
・金融業界の再編のように今後は大学の統廃合も起こりうる。

4.国立大学の独立行政法人化
○国立大学の法人化の意義

○専門の研究者等による第三者評価の実施
・大学の評価は、研究者中心の第三者評価機関でやるべき。
・評価は国が直接ではなく、第三者評価機関が行うべき。

○大学による自律的な教育研究目標の設定
・魅力ある大学づくりのため目標は大学人自身が作るべき。
・中期目標・計画は外部の干渉なく自由にやらせてほしい。

○大学による主体的な学長人事の原則の維持
・学長の人事は大学に任せて欲しい。

○国立大学にふさわしい法人名称のあり方

5.高等教育・学術研究への公的投資の拡充
○競争的経費の拡充と基盤的経費の確保
・基盤的経費は重要。これも維持しつつ競争的経費を拡充。

○客観的な評価の結果に基づく資源配分の実現
・資源配分の成果をきちっとフォローアップする必要。
・良い大学によりたくさんの資金が配分されることが必要。

○私学助成の拡充と傾斜的な配分の推進
・国立と私学に対する公財政支出の格差是正が必要。
・私学助成率が50%の壁を乗り越えるような仕組みに。
・せめてピーク時の28%助成を。傾斜配分はすべき

○寄附金受け入れを促進するための税制面での配慮
・企業からの寄附金税制の改善。
・ 税制を改正し、高等教育に寄附が集まる仕組みを。

6.今後引き続き検討が必要な重要論点
(上記論点のほか、ヒアリングの際に意見発表者や議員から指摘された論点で、事柄の重要性や幅の広がりに鑑み、別途時間をかけて検討が必要な重要なものを整理)

○海外との研究者・留学生交流の拡充

○高等教育のユニバーサル化や学力低下への対応

○教養教育の充実強化

○生涯学習システムの構築

○精神的な自立を促す大学教育の在り方

○教員養成の在り方

○産学連携の推進

○大学入試における試験科目の在り方

○学部教育の年限の在り方



目次に戻る

東職ホームページに戻る