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金大が独立法人化で意見書−「地方の後退招く恐れ」
(2000.3.18 [he-forum 709] Hokkoku Shinbun
03/17)
『北國新聞』2000年3月17日付
金大が独立法人化で意見書−「地方の後退招く恐れ」
国立大で全国初
金大は十六日までに、政府が検討している国立大の独立行政法人化に関する検討結果をまとめ、全国で初めて、文部省と国立大学協会に正式に意見書を提出した。意見書には、法人化が教育・研究・文化の面で地方の後退を招く恐れがあり、政府が進める地方分権化にそぐわないとする指摘などが盛り込まれている。同大は法人化をめぐる地域との関わりについて、今後さらに議論を重ねる。
意見書で、金大は法人化問題の検討が、この受け入れを意味するものではないという姿勢を示し、大学の自主性・自律性がそこなわれるならば法人化はありえないと強調している。
法人化は効率性を追求する競争原理の導入につながり、地方の大学は都市部の大学に比べ、授業料収入や産学連携の相手企業の規模などの点で不利になり、教育や研究の質にも影響を及ぼすとしている。
鴨野幸雄金大法学部長は、地方の大学が結束を強め、方策を練る傾向にあることを示した上で「法人化により、大学が差別、選別される恐れがある。地方は、文化の過疎圏になってはいけない。結論を急がず、広く意見を求めたい」と話した。
金大は四月二十二日、金沢シティモンドホテルでフォーラム「国立大学の地域に果たす役割」を開く。同大が独立行政法人化をめぐって、地域における役割を問い直す機会として企画した。大学、産業、行政の関係者と一般市民によるパネルディスカッションなどが予定されている。