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東大、独自に法人化検討 専門家会合、来月にも報告(東京新聞3/10)
(2000.3.10 [he-forum 679] Tokyo Shinbun 03/10,
ver.2)
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『東京新聞』2000年3月10日付夕刊
東大、独自に法人化検討
専門家会合、来月にも報告
東京大学(蓮実重彦学長)は十日までに、同大を法人化して文部省から独立させる方向で独自の枠組みづくりをスタートさせることを決めた。三月中にも蓮実学長の下に学内の専門家を集めた「国立大学制度研究会」を設け、早ければ四月中にも報告をまとめる。行政改革の一環で、文部省は夏前にも国立大学の独立行政法人化にゴーサインを出すとみられる。国立大学協会(蓮実会長)は、大学間の意見の違いから統一した対応を取れないでおり、東大の法人化案は、これに代わるものとしてほかの大学や文部省の方針にも影響を与えそうだ。
研究会は蓮実学長直属で、副学長をトップに、法律や会計など法人化に関係する各分野の専門化を集めて構成される。
同大は今年一月に出した「東京大学の設置形態に関する検討会報告」で、文部省が昨年九月に出した独法化条件案を検討のそ上に載せ、不明確な部分を明確にすべきだとしている。研究会では、文部省の情報などを基にあいまいだった部分を詰めるとともに、さらに一歩踏み込んで、東大としてどのような法人化の設計図を描くべきなのかを検討する。
具体的には、現在、文部省や自民党教育改革実施本部と同様に、通則法の一部例外を認める「特例法」の制度設計について、その是非を検討する。その上で、特例法では国立大にふさわしい制度にはならないと判断した場合は「国立大学法人法」など、全く別の枠組みづくりの可否を探ることになりそうだ。
検討会報告で東大は、独立行政法人の大枠を決める「通則法」について、そのままでは「断固反対せざるを得ない」としたが、法人化そのものには「独立した法人格を持ち、その自主性・自立性を増すこと自体は、むしろ望ましい」としていた。
国立大学協会では、独法化をめぐって意見の対立が深まっており、昨年十一月の総会では意見がまとまらなかった。その後も、内部の委員会で各大学の学長を対象に行ったアンケートの結果をまとめただけで、協会としての動きは止まっている。地方大学を中心に国大協からもっと意見を発信すべきだとする意見が強まっているが、現状では協会で意見をまとめるのは難しい情勢だ。