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大学連合:
一橋など4大学が2001年4月結成で合意(2/17毎日新聞)
(2000.2.18 [he-forum 626] Mainichi Interactive
02/17)
『毎日新聞』2000年2月17日付
大学連合:
一橋など4大学が2001年4月結成で合意
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編入学や共通の教養教育などの連携構想を持つ一橋、東京外国語、東京工業、東京医科歯科の国立4大学学長が、2001年4月の「大学連合」結成で合意文書を取り交わしたことが17日明らかになった。各大学が独立したまま教育・研究内容に応じて連携・交流し、従来の総合大学にはない機能を共有するのが狙いで、さらに細部を詰め、正式発表する。東京芸術大も学内調整を経て参加するとみられる。順調に手続きが進めば、来年度から国内の国立大学として初めて「5大学連合」が誕生する。
合意文書は1月上旬、4大学の学長間で取り交わされた。連合計画の主な柱は(1)各大学は、当面はそれぞれ独立したままで存続する(2)授業の履修を認める単位互換制度の枠を広げる(3)共通の教養科目の採用(4)編入学、学士入学枠の拡大(5)共同研究や共通の学位審査の実施――などで、2001年4月実施を目指している。事務部門の共通化、共通のキャンパス創設といった事業案も検討されている。
計画は現在、各大学の教授会などで検討され、事務サイドでも分科会を作って詰めの作業を急いでいる。
計画を積極的に推し進めている東京外大の中嶋嶺雄学長らによると、昨年11月、東京芸大も含めた5大学連合構想が報道された時点では、「学長間の夢のレベルだった」という。報道で初めて構想を知ったという教職員も少なくなかったが、その後、学長らと文部省首脳らとの会合でも構想が好意的に評価され、各大学内でも積極的に連合を推進していこうという教職員が増えた。
しかし、東京芸大については「学内に消極的な意見もある」とされ、連合に積極的な他の4大学とは温度差があるという。
5大学はいずれも東京都内に本部を置く専門性の高い大学で、重複する学部はない。また単位互換制度は既に多くの地域で実施されているが、編入学にまで踏み込んで大学間で協力関係を作るケースはない。少子化時代に入り、国立大学の独立行政法人化が検討されている中、国内トップレベルの大学が連合することは、大学再編時代のさきがけとして、注目される。
中嶋学長は「将来的には、英語で授業する科目を増やすなどして、外国人留学生が学びやすい環境を作り、世界のトップレベルとして通用する大学連合を目指したい」と語る。
一方、文部省大学課は「大学間で教育基盤整備が進み、交流が活発化するのは好ましいことだ」と話している。 【内田 達也】