独行法反対首都圏ネットワーク

大学で高校教科を補習/7大学で予備校講師が登壇
(2000.2.17 [he-forum 619] Kyoto Shinbun 02/16)

『京都新聞』 2000年2月16日付

 大学で高校教科を補習 
 7大学で予備校講師が登壇

 「大学生の学力低下」が指摘されているなかで、予備校講師が高校の教科を補習授業する「リメディアル教育」が、立命館大や龍谷大など京都の七大学で、四月から始まる。大学や短大などが参加して単位互換などに取り組んでいる大学コンソーシアム京都(京都市上京区)が、大学の要望を受けて「予備校の指導のプロ」を派遣する。補習授業を共同で取り組むのは全国でも初めてという。

 入試科目が減ったり、筆記試験のない推薦入学が増えている影響で、主要な科目を学ばないまま大学に進む学生が増えている。この結果、数学や物理などの授業についていけないだけでなく、世界史を学ばずに中世英文学を専攻するなど、大学の専門教育への影響も出ている。

 このため、龍谷大などでは大学独自の補習授業を進めているが、コンソーシアムの参加大学からは、補習を共同で取り組みたいという要望が強く、京都市内の予備校の協力を得て講師を派遣することにした。

 実施科目は数学、物理、化学、英語、日本史、世界史に加え、基本的な読み書き能力のための「日本語」も開講する。さらに、▽経済学に必要な数学▽論文作成のための英語▽社会学のための日本近現代史―など、各大学や学部のニーズに合わせた教科内容をコンソーシアム京都がコーディネートして大学や予備校と共同開発し、四月から実施する。

 新年度は、立命館大、龍谷大のほか、大谷大短期大学部、同志社女子大、種智院大、成安造形短大、佛教大が講師を受け入れる。今後、要望があれば派遣大学を増やしていくという。

 大学コンソーシアム京都の山口乾主幹は「理系、文系を問わず大学生の学力低下は深刻だが、学生の能力を上げることが大学の使命。予備校のノウハウに学びながら、実のある授業を提供したい」と話している。



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