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キャンパスから/高野英資(新潟大学教授)
(2000.2.5 [he-forum 583] 2月4日付新潟日報コラム)
2月4日付 新潟日報朝刊コラムより
キャンパスから 高野英資(新潟大学教授)
国立大学の独立行政法人化が大きな関心を呼んでいる。実現すると国の直轄機関である国立大学は、文字通り独立した法人格を持つ機関に変身する。大学の裁量権や規制緩和による自由裁量の拡大は、大学運営の自主的、自律的な対応を可能ならしめることを意味する。その限りにおいては、法人化の目指す方向はかなり妥当と思わせる。
しかし、学長の任命権や大学の中期目標設定の指示、中期計画の認可は国が行うという。大学は自ら企画(Plan)し、立案したものを実行(Do)に移し、目標を達成できたかどうかを評価(Check)し、改善すべきものがあれば改善をする(Action)ことが求められる。いわゆるPlan-Do-Check-Actionの管理のサイクルが十分に機能しているかどうかが評価される。この評価は、大学改革の一環として設立された、学外の関係者から構成される第三者機関である大学評価機関が行う。「公立論」や「公正な格差論」のみが先行することのないよう望みたい。
しかし、聞くところによれば、独立行政法人化の問題は、大学改革の議論の中で提案されたものではなく、政府の借金財政解消に直接的に根差したものであるというからその真意を確かめたくもなる。大学審議会の言葉を借りれば、「21世紀は大学が社会をリードする時代」であり、「大学が社会のさまざまな要請に応えていくことが求められる時代」であるという。自律性を高め、個性が輝く大学として発展していくためには今何が求められているのだろうか。