独行法反対首都圏ネットワーク

東大「設置形態検討会」報告に関する
読売・日経の報道(1/12)
(2000.1.13 [he-forum 538] 日経と読売の報道)

 東大の「検討会」報告についての報道です。佐々木さんがすでに朝日の報道を電子化して下さっています。
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『日本経済新聞』朝刊
2000年1月12日

国立大法人化問題
「自治確保の道探る」

東大検討会が報告書

国立大の独立行政法人化問題の是非を検討してきた東京大学(蓮實重彦学長)の「設置形態に関する検討会」は11日、最終的な報告書をまとめた。行政組織のスリム化を目的とした独立行政法人通則法を大学に直接適用することには反対しているが、特例法の制定で大学が法人格を取得し、自主性を確保する道については「時問をかけて立ち入った検討をする」との立場を表明している。

報告書は、大学の在るべき姿を模索する「理想形態部会」と、文部省が昨秋に提案した独立法人化案の課題を分析する「比較検討部会」の二つの視点で構成。

理想形態に関する報告では「通則法の枠組みを離れて言えば、大学が法人化し、自治のユニットとなることはむしろ本来的」として、国の行政組織を離れ、権利、義務の主体となることを肯定。そのうえで、学内の自治権の範囲を、教官、部局、経営主体といった主体ごとに明確化する「東大憲章」の制定を提言。大学の自治の現代的な意義を再考することを促している。

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『読売新聞』朝刊
2000年1月12日

「建学の理念」東大も掲げよう
行政法人化に対処
学長諮問機関提言

東京大学の学長諮問機関が11日までに、建学の理念をうたう「東京大学憲章」の制定などを提言した報告書をまとめ、蓮實重彦学長に提出した。独立行政法人化が迫られるなか、国立大にもようやく独自性を打ち出す動きが出てきたと言えそうだ。

報告書をまとめたのは、「東京大学の設置形態に関する検討会」。私立大学がそれぞれ「建学の精神」を掲げているのに対し、国立大は「国のために役立つ人材」の養成などを第一に、大学の理念などを特に明文化してこなかった。

「東大憲章」が提言された背景には、行革の一環として独立行政法人化が実施されれば「効率性を求められ、大学自治が脅かされる」「大学間の競争が厳しくなる」との懸念がある。検討会は、憲章の中で大学としての使命などをうたい、独自性、主体性を打ち出す一方で、教育・研究内容などで「自治権」を確保することも規定するよう提案している。

同日の学部長会議で示されたのを受け、具体化に向けた検討が始まる見通し。

また、報告書では毎年、各学部の教員定数の3%程度を削減し、必要な研究分野に再配分する自己改革も促した。独立行政法人化については、原則反対を保ちつつも、大学の自主性に配慮した文部省案に「検討に値する」との見解を示した。



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