独行法反対首都圏ネットワーク

北海道大学教官有志の会声明(11/22)
(1999.11.24 [reform:02359] 北大教官有志の会の 11.22声明)

reform の皆さま

 名古屋大学の共同声明が契機となり、11月10日に北海道大学で(仮称)全学投票準備会設立の賛同者を呼びかけましたところ13日までに119名の賛同がありました。しかし、賛同者間で意見交換をした結果「全学投票の有効性は各構成員の十分な意見形成状況に依存する。学内で議論が始まったばかりの北大では、さしずめ時期尚早である。会の目的を、

(i)全学の問題意識を深め議論を尽くすこと
(ii)意思決定に全構成員が実質的に関与できる方法を確立すること、

 とすべきである。」という合意に達しました。そこで、名称を「国立大学の独立行政法人化問題を考える北大教官有志の会」とし小野有五さんが世話人代表となり声明を起草され19日(金)に全学に呼びかけ22日(月)までに283名の賛同者を得ました。小野代表と賛同者が11月22日朝に北大学長・副学長に声明文を手渡し、同日午後、北海道庁の教育関係記者クラブで報道発表し、1時間弱質疑を受けました。
 国立大学の独立行政法人化問題に強い関心を持って下さった記者がおられたことに力付けられました。記事は大きくはありませんでしたが的確な報道でした。

 小野代表からの北大全教官への報告が
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/99b22-seimei-report.html
にあります。以下、
 [1] 声明文
 [2] 朝日新聞の報道(1999.11.23 朝刊)
 [3] 北海道新聞の報道(1999.11.23 朝刊)
を転載します。
--[1]-------------------------------------------------------------
声明文
( http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/99b22-hu-seimei.html)

 新聞などですでに報道されているように、文部省は国立大学の独立行政法人化に向けて、全国の国立大学に対してその受け入れを要請しようとしています。これに対して北大も、十分な議論・検討をしないまま、それを受け入れる方向に傾きつつあるようです。独立行政法人化は、その運用しだいで必ずしも悪い面ばかりがあるとは思いませんが、現在の北大のありかたを見ると、大学の将来に最も責任を負うべき教授会はもとより、構成員による議論もほとんどないまま、このまま大学としての意志決定がなされてしまうことに、大学教官として危機感を覚えます。
 大学を独立行政法人化するうえで最大の問題の一つは「それを受け入れた時に大学の自治が守れるか」という問題だと思いますが、現在のように構成員同士の議論もなく、その意志表示もないまま、総長や評議会での決定だけで今後の長期間にわたる大学全体のあり方が決められてしまうとすれば、すでにその時点で「大学の自治」は有名無実のものとなり、以後、大学人は、このような理不尽なものごとの進め方に対して、なんら反論できなくなることは明らかです。
 とくに評議会に評議員を送っている教授会の構成員は、大学の将来を決めるこのような重要な問題に対して無関心をよそおうことは許されません。それは教授会の構成員である責任を自ら放棄したことになると思います。
 もちろん、現在の大学のあり方が社会からの要請にきちんと応えるものになっているか、研究や教育の内容が激変する環境に対応するものになっているかといった検討も不可欠であり、自らそのような検討をすることなしに、大学が外部からの批判に応えられないのは当然のことです。
 しかし、現在、進められようとしている独立行政法人化は、そのような検討の余裕すら許さないあまりに急速なものであり、しかも、現状では、今後の確固たるヴィジョンや、制度の具体的な運用についての明解な説明があまりに不足していると言わざるを得ません。このようにすべてがあいまいな状態のまま、21世紀の北大のあり方を
決定してしまうことは拙速であり、将来に大きな禍根を残すと思います。
 私たち北大教官の有志はこのように考え、次の2点を総長・評議会・教授会・助教授会・助手会など、北大のすべての教官に要望いたします。

(1)現在のようなあまりに拙速な独立法人化には反対して下さい。
(2)各部局の教授会、助教授会、助手会は早急にこの問題を議論し、12月中には、この問題についての各部局の意見を表明して下さい。総長・評議会は、北大としての意志決定に際し、これら各部局からの意見を尊重して下さい。

北海道大学総長、副学長、評議員、各部局長 殿

1999年11月22日

国立大学の独立行政法人化問題を考える北大教官有志の会
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北海道では以下のように報道されました。
(http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/99b23-hu-press.html)

--[2]---------------------------------------------------------
11月23日朝日新聞朝刊
拙速な独法化論議呼びかけ
「北大教官有志の会」

 「国立大学の独立行政法人化問題を考える北大教官有志の会」(代表・大学院地球環境科学研究科・小野有五教授)が22日、同大学長と副学長、評議員、各部局長あてに声明文を出した。文部省が進めようとしている独立行政法人(独法)化に賛否両意見がある中で、「学内で議論が全くない現状では、大学としての責任は果たせない」として、賛同を得た283人の教官の総意として、拙速な独法化に反対することや、各部局が教授会などで論議し、12月中に意見を表明することの2点を求めた。

--[3]---------------------------------------------------------
11月23日北海道新聞朝刊
独立行政法人化「徹底し議論を」
北大教官が声明

 文部省が検討を進めている国立大学の独立行政法人化について、「国立大学の独立行政法人化問題を考える北大教官有志の会」(代表・小野有五北大大学院地球環境科学研究科教授)が22日、徹底した議論を求める声明文を丹保憲仁北大学長らに送った。
 有志の会は声明文で、独立行政法人化の学内論議が十分に行われていないことを指摘。各部局の教授会、助教授会、助手会が年内に意見を集約し、学長および同大評議会はこの意見を尊重して、法人化への考えを固めることを求めている。
 同会は17日に設立され、声明文には同大の教官283名が賛同した。

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