独行法反対首都圏ネットワーク

国旗国歌問題で揺れる新大
独立行政法人化絡み国に従属の見方も
(1999.12.8 [he-forum 459] 12月6日付新潟日報の記事)

新潟大学職員組合の立石です。
 12月6日付朝刊社会面の記事を転載します。

国旗国歌問題で揺れる新大
 手続き無視 高まる批判
 「大学自治侵す暴挙」 
 独立行政法人化絡み国に従属の見方も

 新潟大学(荒川正昭学長)が国旗国歌問題でゆれている。
「学内に国旗を常時掲揚し、行事では国旗掲揚と国歌斉唱を行う」とする学長通知をめぐって、「日の丸君が代の強制」「大学の自治をみずから放棄する暴挙」と教官や学生、学外からも批判が高まっている。大学側は「あくまで学長が判断する事柄」と撤回の考えのないことを強調、両者の言い分は平行線のまま。学長通知から1ヵ月半、その波紋と背景を探った。
 発端は10月19日、荒川学長名の1枚の通知だった。学内の重要問題は教授会や部局長会議を経て、最高決定機関の評議会で決められるのが通例だが、今回の通知は今年4月に発足した学長、副学長2人ら4人で構成する大学運営会議に諮っただけだった。
 同大職員組合の立石雅昭委員長(理学部教授)は「日の丸・君が代に対する立場を越えた広い層が、プロセスを無視したことに怒っている」と白紙撤回を主張。組合として学長交渉を申し入れたが、大学側は「事務的処理事項で団交の議題ではない」と拒否した。
 各学部教授会でも批判が噴出した。理学部では教授会として「白紙撤回要求」することを決議、学長リコールを求める声も出されたという。工、理、教育人間科学の各学部でも「何でも運営会議で決める態勢は問題だ」などの意見が出た。
 学生からも疑問の声が上がった。男子大学院生は「学内の意見を汲み取り、討論して決めるべき。この動きが他大学や小中学校に波及するのが怖い」と警戒。韓国の男子留学生は「大きな憤りを覚える。日本の学生も日の丸・君が代の歴史を考え、なぜ反対しているのか考えてほしい」と語るが、アジアの若者にも反発が広がっている。
 学長通知はまだ実施されていないが、批判の声は学外にも波及。県内労組や市民団体が撤回の要請書を提出し、11月末には元教官有志41人が「慎重で十分な審議」を要望する異例の申し入れをした。呼びかけ人の加村崇雄名誉教授は「退職者が現役に意見することはいいことだと思わないが、やむにやまれぬ気持ちだった」と心情を明かす。
 学長通知の背景には、日の丸・君が代の浸透に積極的な国側の動きに加え、国立大の独立行政法人化問題を指摘する声が聞かれる。
 ある教授は「独法化に向けて、文部省への従属が強まっている。全国の国立大に先駆けて、通知を出したのはその象徴で、生き残りのための点数稼ぎだ」と、同省に顔を向けた姿勢を批判する。
 一方、運営会議のメンバーで広報委員長の清水不二夫副学長は「大学改革は中身で勝負すべきもの。文部省と大学の関係はそんな安っぽいものではない」と語気を強めて否定した。
 今回、学長通知決定の舞台となった大学運営会議は、大学院充実や学部再構築など大学が直面する問題に迅速に対応するため、学長のリーダーシップを狙ったもので、副学長制とともに4月に新設された。だが、ある学部長は「構成員の意見を無視したトップダウンはリーダーシップの履き違え」と手厳しい。
 11月26日の評議会では、白紙撤回を求める意見に、荒川学長が「実施に当たっては、慎重に対応したい」と答弁した。しかし清水副学長は「通知内容を早期に実施する方針は変わらない」と強硬な姿勢を崩していない。
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 またそれとほぼ同じような内容で、7日テレビ朝日系列のNT21夕方の情報ニュース番組の中で特集として取り上げられました。



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