独行法反対首都圏ネットワーク

文部省編『平成11年度 我が国の文教政策 進む「教育改革」』より
Q&A

(1999.12.10 [he-forum 457] 教育白書)

 文部省編『平成11年度 我が国の文教政策 進む「教育改革」』(12月7日発行)pp. 160-161.

 教育改革Q&A 〜教育改革に関する様々な疑問にお答えします

Q37 国立大学が独立行政法人になると聞いたのですが、独立行政法人になると国立大学はどのような大学になるのでしょうか?

A 世界的水準の教育研究を目指し、その実現を図るという観点から、現在、国立大学の独立行政法人化の問題について検討が進められているところです。

 国立大学の独立行政法人化については、平成11年4月の閣議決定により、「大学の自主性を尊重しつつ大学改革の一環として検討し、15年までに結論を得る」とされたところです。このため、文部省では、文部大臣のいわゆる私的懇談会として、「今後の国立大学等の在り方に関する懇談会」を開催し、有識者から幅広い観点からご意見をいただきながら、検討を進めるとともに、11年9月の「国立大学長・大学共同利用機関長等会議」において、国立大学の独立
行政法人化の検討を行う際の基本的な方向について、以下の内容を示したところです。

 国立大学における教育研究は、自主性・自律性と自己責任を基本として行われるべきものであり、国立大学の独立行政法人化を検討するに当たっては、これらの特性に十分配慮した特例措置等を講じることが必要です。
 このような特例措置等を講じることにより、現行制度と独立行政法人制度とを比較した場合、国立大学を独立行政法人化することに、次のような意義が認められます。

 ア) 欧米諸国の大学と同様に、独立した法人格を持つことにより、自らの権限と責任において大学運営に当たることが可能となること。
 イ) 組織編成、教職員配置、給与決定、予算執行等の面で、国による諸規制が緩和され、各大学の自主性・自律性が拡大すること。
 ウ) 教育研究や教職員配置等大学運営全般にわたり、より自由な制度設計が可能となり、大学の個性化の進展、さらに競争的環境の創出が期待されること。

そこで、独立行政法人化に当たっては、附置研究所・附属病院等を含め各大学に法人格を付与することとし、具体的な特例措置等としては、大きく分けて、以下のような点について検討が必要と考えています。

 ア) 主務大臣による中期目標の指示、中期計画の認可において、大学の自主性・自律性を確保すること。
 イ) 法人の業績に対する評価において、教育研究に関しては、国によるのではなく、大学関係者等により構成される第三者機関により評価が行われること。
 ウ) 学長を含む教員の人事において、大学の自主性・自律性を確保すること。

 他方、大学の自主性・自律性の拡大に伴い、各大学の運営責任も当然重くなり、また、独立行政法人制度は独立採算を前提としないとはいえ、従来以上に効果的・効率的な運営が求められます。このため、運営体制について、学長のリーダーシップの下、経営の視点も踏まえて適時適切な意思決定ができるものに見直す必要があり、関連して、学長の選考方法や副学長・運営諮問会議の構成等について検討します。

 今後、特例措置等の具体的な方向について、国立大学協会を始め関係者の意見を聴きながら検討を進め、平成12年度のできるだけ早い時期までには結論を得る予定です。それを受けて、制度の詳細については、十分に時間をかけて慎重に検討していく必要があると考えています。



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