独行法反対首都圏ネットワーク

北海道教育大学教職組、学長へ「『依頼文書』質問と要望」
(1999.12.2 [he-forum 430] 北教大教職組連協、学長へ「『依頼文書』質問と要望」)

 大内@北海道教育大学札幌教職組です。he-forum と reform-ML の両方に掲載します。
 北海道教育大学教職員組合連絡協議会(略:五連協、5つの分校からなる北海道教育大学の各分校単組の協議体。事務局は当大学札幌教職員組合内)は、この度の国大協第1常置委員会より国立大学長あてに発した「依頼書」に関する全大教の緊急取り組みについて、昨日(12月1日)取り急ぎ学長宛に電子メールで以下の「質問と要望」を送り、本日(12月2日)朝に正式な文書で提出することにしました。学長あての電子メールはすでに昨夜、午後9時少し前に送信されています。
 なお、この「質問と要望」に出て来る「代議員会」とは、学長、学生部長、図書館長、各校分校主事+1名、などからなる全学の審議・決議機関で、総合大学の「評議員会」に当たるようなものです。
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標題:国大協第1常置委員会発の「依頼文書」について
本文:

1999年12月1日

北海道教育大学長
村山 紀昭 殿

北海道教育大学教職員組合連絡協議会
議長 水野 政勝 mizuno@atson.sap.hokkyodai.ac.jp

事務局長 大内 定 outi@atson.sap.hokkyodai.ac.jp

国大協第1常置委員会より11月26日頃に発せられた「依頼文書」について
(質問と要望)

 緊急のことに鑑み、まず電子メールで標記につきまして質問の申し入れと要望をいたしますこと、お許しください。正式な文書は明日にでもお届けいたします。

 当協議会の上部団体である、全国大学高専教職員組合(全大教)より、当協議会各組合あてに昨日(11月30日)付で、次のような情報が寄せられております。

 1.国大協総会(11月17日〜18日)を踏まえ、国大協第1常置委員会として、11月26日頃に各国立大学長あてに「依頼文書」が発せられ 12月2日頃集約とされていること。その趣旨は、国立大学の独立行政法人化が行われる事態となった場合、大学の特性からどうしても譲歩できない点を2点程に絞り提出願いたい旨とされていること。

 2.そのことを受け、12月17日頃、国大協執行部として文部省と独立法人化問題に関する特例上の扱いについて協議を行うとされていること。
 なお、その後の状況によっては、国大協として1月中にも臨時総会を開催することを検討していること。

 つきましては、まず上記1および2に関して学内で分校によっては情報が届いていないようですが、真偽のほどをお聞かせいただきたく存じます。また、本当だとすると、このことについてどのように取り扱うおつもりでしょうか。
 あるいは明日(12月2日)開催予定の代議員会に諮られて、何等かの回答をするおつもりでしょうか。
 これらに関してまずお聞かせいただきたく存じます。

 次に、当協議会としては以下のような考えに基づき、要望いたします。

 国大協では先の総会において、さまざまな議論の上、「設計図が不完全な場合、建築物は必然的に歪んだものにならざるをえない」、「こうした独立行政法人化が、現状では、実現さるべき高等教育の改革にとって必ずしも有効な手段とはなりがたいと考えている」、「設計図はいまだ描かれてさえおらず、真の問題は、まさにそこにあるといわざるをえない」、「一例を挙げるなら、高等教育・学術研究の財政環境の不備である」などとした蓮實会長の記者会見談話、また記者質問に対しては、「国大協として基本的に反対の立場は変わらない」とした返答の経緯があるにも拘らず、今回、国大協第1常置委員会から上記2点に関する「依頼文書」が発せられたとすると、以下の点で不可解で問題があると存じます。

 1.国大協で「通則法」の下での設計図による独立行政法人化では、真の意味の大学改革は実現できないことを会長談話の形で明らかにしている以上、第1常置委員会で独立行政法人化を、「事態となった場合」という仮定にしても、「譲れない点」を各大学に照会していることは、不可解である。「譲れない点」をまとめて文部省を含む行政府側と協議し、拒否されたら国大協も受け入れ拒否、譲歩点を引き出せたら、それによっては受け入れも視野におく。頭の上に「通則法」の重しがあって、このような取引のようなことが成立するのか、疑問である。

 2.しかも、11月26日頃に「依頼文書」が発せられ、12月2日頃集約とすると、大学内で十分議論のいとまを与えず、大学によっては学長の判断で答えざるを得ない早急さには、問題がある。

 本日の段階では、先に述べましたように分校によってはこのことは伝わっていないようです。あるいは明日(12月2日)の代議員会で諮られ、その上で直ちに回答されるとすれば、各分校で審議されたものにはならないので、同様の問題(分校教授会には事後承諾)が生ずると存じます。
 したがって、当協議会としては、独立法人化反対の立場(基本的には国大協も)から、拙速な回答を行わず、臨時分校教授会など、学内での十分な議論の場を設け、回答されるとすれば、これらの議論を重視して行われるよう要望いたします。もし、「回答期限が迫られ、しかも無回答では済まされないので、学内全体の議論に付すいとまがない。代議員会レベルでの意見でまとめるしかない」とお考えの場合は、「譲れない点」について当協議会より以下のことを含めるよう、要望があったことを代議員会でご紹介いただければ幸いに存じます。

 当協議会よりの「譲れない点」案(要望):
 国大協・蓮實会長談話にあるように、独立行政法人通則法の下での設計図では、手直し(特例措置)程度では大学改革は達成されず、返って現在以上のさまざまな重大問題が噴出することは必至である。21世紀の100年を見通した国立大学の在り方は、国民、大学、行政府が今後も十分時間をかけて議論をし、方向を決めるべきである。
 したがって、現在、大学改革の方向の理念と方策が、とくに大学と国民において十分な議論と合意がない段階で、いま拙速な独立行政法人通則法の下で国立大学の独立行政法人化がされることは受け入れがたく、譲れない基本点である。

 なお、上記の当協議会よりの質問と要望につきましては、結果など、状況を12月8日までにご回答いただければ幸いに存じます。文書、Eメールのどちらでも結構に存じます。

以上



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