独行法反対首都圏ネットワーク

国立大学協会総会への要望書
(1999.11.17 首都圏ネット事務局)


国立大学協会総会出席者各位


国立大学協会総会への要望書

1999年11月17日
独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局
(連絡先:東京大学職員組合 03-3813-1565)

今回の国立大学協会(国大協)総会は、日本社会における大学の在り方を根底的に覆す独立行政法人化案が去る9月20日に正式に文部省より提出されてから初めての総会です。国立大学の総結集体である国大協が、大学の歴史的使命を守り発展させる観点から、今日の危機に対して果敢に対処するために、今回の総会が以下の行動をとられることを要望するものであります。

1.9.20文部省案ならびに同日の有馬文相挨拶は、我々が指摘したとおり欺瞞に満ちたものであることが、その後の各地区学長会議での文部省自身の報告ならびに行革推進本部や政府等の動向で明らかになり、完全に破綻した。国大協は、改めて国立大学の独立行政法人化に反対することを確認するとともに、文部省案拒否の態度を議決していただきたい。

2.第一常置委員会は、9.13臨時国大協総会に提出された中間報告どまりではなく最終報告作成に取り組んで頂きたい。最終報告作成にあたっては、条件闘争に落ち込まず、大学審答申のような「21世紀初め」だけでない、21世紀全体を見据えた国立大学の将来像を示していただきたい。

3.いくつかの大学で個別大学の個別利益に基づく「生き残り」プランが独立行政法人化を睨んで検討されているという報道がある。こうした動きは、社会のシステムとしての大学を個別大学の「生存競争」によって結果的には内部から崩壊させる愚行であり、国大協の解体へとつながる。国大協は日本における大学システムの中軸をになっているという社会的・歴史的責務を自覚し、システム全体を発展させる見地を堅持していただきたい。

4.社会における大学の在り方そのものについて、国立、公立、私立という設置形態を越えて議論することが求められている。国大協はその議論の社会的イニシアティブをとっていただきたい。その際、議論の過程を社会全体に公開するとともに、社会からの意見を真摯に受けとめる場を設定していただきたい。

今回の独立行政法人問題の直接の引き金となった国家財政の危機そのものの根底的解明がなされないまま、対症療法的な財政いじりとしての独立行政法人化を行えば、危機はさらに進行し、社会の崩壊へとつながりかねません。今、危機を加速させる政策に組し、社会のシステムとして大学を崩壊させる道を選ぶべきではありません。知的蓄積と批判的分析力を駆使して、今日の危機の根底を解明し、社会に成果を発信することが大学の本来の使命であることを強調しておきたいと思います。

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私達は、本日午後1時〜5時に、本館320号室にてシンポジウム「独立行政法人と大学の未来」を開催しており、5時からは307号室に懇談の場を設けてあります。各位におかれては、懇談に参加され、独立行政法人化さらには大学のあり方についてともに議論されることを期待するものです。なお、同シンポジウムにおける基調報告を添付しました。ご参考になれば幸いです。



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