独行法反対首都圏ネットワーク

新潟大職組
「日の丸掲揚・君が代斉唱」強制撤回を求める全学総決起集会 基調報告と決議
(1999.11.13 [he-forum 355] 11/12shukai)

「日の丸掲揚・君が代斉唱」強制撤回を求める全学総決起集会 基調報告と決議

新大職組委員長立石雅昭
たびたびで恐縮です。なかなか、まともに遅れなくて、すいません。
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集会基調報告

集会参加のみなさん、ご苦労様です。
新潟大学職員組合委員長の立石です。

 新潟大学で強行されている「日の丸掲揚・君が代斉唱」の強行に深い憂慮を抱き、この集会に参加されたみなさん、とりわけ、県内外の労働・民主団体を代表して本集会に参集いただいたみなさんに心から御礼を申し上げます。
 集会決議案にもありますように、新潟大学の「日の丸掲揚・君が代斉唱」の強制は全国の大学に先駆けた異常に突出した対応です。新潟大学は1949年7月、その開学記念日に当たって、アメリカ占領軍民間情報局教育顧問イールズが、大学からの共産主義者の追放を最初に演説した大学でもありました。そして教職員7名への辞職勧告決議が行われたのです。職員組合、学生自治会はこの暴挙に対し、全国的な運動とも連帯して大学からのレッドパージを許さない運動を展開し、基本的には勝利しました。
 今また、新潟大学は大学の府としての良識と責務を放棄して、全国の大学の先陣を切って、政府・文部省の意向に無批判に従う「日の丸掲揚・君が代斉唱」を強制的に実施しています。10月19日の通知に従い、10月27日、医学部保険学科開設記念式典において、日の丸を掲揚するとともに、君が代の斉唱を強制したのです。
 職場の実態をも無視し、正規の職員が1名のところでも毎日日の丸を掲げよと言うのです。「日の丸・君が代」に対して国民的なコンセンサスが無いことを承知の上で、ことあらば、官憲の導入することをも明文化しています。国の財産だから守るのは当然と主張しますが、教育と研究にとってもっと重要な国の財産である建物や文献・研究機器に関してこうした規定が明文化されているでしょうか。官憲の導入を明文化したのは、国旗だけであるという事実をどう説明するのでしょうか。
 昨日、この問題に関して自由に討論する集まりを開きました。そこで私は大きなショックを受けました。それはそういう集会に集まってくれる学生でさえ、日本人学生の大部分は日の丸・君が代にさほどの違和感を抱いていない、という紛れもない事実です。そこには長年に渡る執拗な初等・中等教育への攻撃、そしてマスコミの無批判な日の丸・君が代賛美の力を思い知らされました。他方、その集まりに参加された韓国留学生のみなさんの厳しく、熱い思いも知らされました。多言は要しないと思います。友好と連帯を進めようと願うならば、強制通知は直ちに撤回するべきです。
 個人的な思いで恐縮ですが、国を愛することについて一言述べます。私は憲法を黒田亮一先生に学びました。国とは何か、国土があり、国民がいて、その上で、その国の体制が築かれてきました。国土を愛すること、国民を愛すること、そして、歴史の教訓に学び、築いてきた主権在民、これを守ることが本当に国を愛することではないでしょうか。誰が真の愛国者であるかは明白です。その上にたって初めて自由な国際的な友好が築かれるものと考えます。
 新潟大学学長による「日の丸掲揚・君が代斉唱」を強制する通知の撤回を求めて、学内はもとより、県内外の世論を沸騰させましょう。新潟大学職員組合はその先頭に立って奮闘します。ともに闘いましょう
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「日の丸掲揚・君が代斉唱」強制の撤回を求める
11・12全学総決起集会決議(案)

 新潟大学荒川学長は、10月19日、次の内容からなる国旗掲揚・国歌斉唱の実施方針を一方的に各部局に通知した。
 すなわち、
 1. 祝祭日はもとより、開庁日にも新潟大学の8つのキャンパス、すべてにおいて国旗を掲揚する。 2. 大学主催の行事においては国旗掲揚とともに、国歌を斉唱する。
 3. 国旗の管理者は常に国旗が正常な状態に保たれるよう務め、管理者が対応できないと判断したときは、官憲に出動を要請する。

 というものである。
 この通知以降開催された医学部保健学科の開設記念式典では国旗掲揚とともに、国歌斉唱が実施された。
 大学における「国旗掲揚・国歌斉唱」は大学教育にかかわる重大な事項である。にもかかわらず、荒川学長は学内の合意形成過程を一切無視し、総理府野中官房長官の談話に全面的に従って実施を決め、強行している。教育・研究にかかわる重要事項は本来、学生を含むすべての大学構成員の合意のもとに決定されるべきである。少なくとも従来こうした重要事項は学部教授会、部局長会議、評議会での議を経て決定されてきた。しかるに、今回の学長通知は50年に及ぶ新潟大学の自治を乱暴に蹂躙したものである。大学の自治は第2次大戦における苦い教訓をもとに、憲法において明記された学問の自由を保障するものとして築かれてきた。今回の「日の丸掲揚・君が代斉唱」強制による自治の破壊は学問の自由を抑圧する道である。
 新潟大学長による「日の丸掲揚・君が代斉唱」の強制は心ある大学人の憤激を呼んでいるだけでなく、県内外の広範な人々の疑問や抗議の声を呼び起こしている。そもそも、「国旗・国家法案」は突如として提案され、多くの国民が十分な国民的議論を望んでいたにもかかわらず、国会において実質的な審議もなく、強行採決されたものである。このこと事態、「日の丸・君が代」は国民の中に定着していないことを端的に示している。まぎれもなく、国民の間には「国旗・国歌」に対して、様々な声や意見が存在する。荒川学長はそういう状況を一切無視し、しかも、なぜ、「日の丸掲揚・君が代斉唱」を大学において行うのかの一切の説明もなしに実施を強行している。学問の府としての良識を放棄したこの行為は断じて許されない。
 新潟大学は21世紀に向けて、その社会的責務として科学の創造と文化の発展に貢献しなければならない。とりわけ科学と文化を通してのアジア諸国民との友好と連帯に大きな責務を負っている。しかし、今回の「日の丸掲揚・君が代斉唱」の強行はこうした責務に背を向けたものであり、アジア諸国からの留学生の深い憤りを呼んでいる。
 大学の自治、学問の自由の破壊は許さない。
 荒川学長は「日の丸掲揚・君が代斉唱」強制を撤回せよ。
 右、決議する。
 
1999年11月12日
「日の丸掲揚・君が代斉唱」強制の撤回を求める
新潟大学全学総決起集会



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