独行法反対首都圏ネットワーク

山形大学成沢学長の”中間報告”に対する要望書(国大協蓮見会長宛)
(1999.11.13 [he-forum 352] 山形大学成沢学長の”中間報告”に対する要望書)

各位
 11月9日に公表された,国大協の「(中間報告)」に対する山形大学の意見(国大協に対する要望書)です.
http://www.e.kj.yamagata-u.ac.jp/union/news/gakucho991108.html

として掲載してあります.

山形大教育学部地学研究室 川辺孝幸

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平成11年11月8日
国立大学協会
蓮 見 重 彦 会長 殿

山形大学長 成 澤 郁 夫


要  望  書

 去る9月7日、国立大学協会第一常置委員会は、「国立大学と独立行政法人化間題について(中間報告)」を取りまとめられ、同月13日の総会においてその報告がなされました。本学として、困難な諸情勢の中で極めて短期間のうちに取りまとめに当たられた関係各位のご労苦に対し、心から敬意を表するものであります。
 本学では、上記中間報告の重要性に鑑み、評議会及び学部教授会において、その内容の理解に努めるとともに幅広く意見交換を行いました。その結果、国立大学の設置形態の変更は、行財政改革の効率化の視点からではなく、わが国の高等教育に対する長期的かつ基本的な将来展望についての議論を経て行われるべきであり、戦後の新制大学発足時から存在している大学間格差に悩みつつも、地域の行政・産業・文化等の発展に貢献するために努力してきた地方国立大学にとって、今後の発展基盤を崩しかねない極めて重大な問題を内包していることを再確認し、その観点から貴協会に対し、下記の要望を行うこととしました。
 つきましては、本要望を第一常置委員会に伝達いただくとともに同委員会の今後の審議に反映していただくよう、お取計らい願います。


1 国立大学の独立行政法人化は、主務大臣が定める中期目標に基づき認可された中期計画について、効率性の観点から業務の遂行状況を短期的に評価するものであり、継続性と長期性を不可欠とする教育・研究の本質に反し、学問の自由の下で、多様で独創的な教育・研究を行う大学の使命に相反するものであると考えます。本学は、平成9年10月24日の東北地区国立大学長会議の一員として反対声明を行いましたが、また平成11年1月の本学評議会においても反対の決議を致しました。よって、本学は、平成9年11月13日の国立大学 協会の反対声明を現在もなお支持するものであり、現状況においても国立大学協会として今後ともそれを堅持することを要望します。

2 本学は、上記中間報告が、現下の諸情勢の中で万が一の重大な事態に備えて取りまとめられたものであることを理解しつつ、なお大学の自主性、自律性を確保する見地からは、中期目標の策定や中期計画の認可における大学側の意見の「配慮」や「尊重」に関する制度的保証、主務省の評価委員会と総務省の審議会、第三者評価機関、大学の自己評価との関連、効率性に特になじまない基礎的学問分野の衰退・縮小の虞への対応、運営費交付金の重点配分、不十分な公的資金などによる財政基盤崩壊の虞への対応など、多数の懸念される事柄についてどのように保証されるべきか、特に文部省の今後の進める方向との関係においてさらに掘り下げた検討をされるよう、第一常置委員会に対して要望します。

3 本学は、国立大学の独立行政法人化問題について、幅広い国民の理解を得るため、国の学術研究や高等教育政策における国立大学の役割・機能、また大学改革は、行財政改革の下における効率化という視点ではなく、大学の教育研究に関する長期的かつ根源的に策定する将来構想に沿って取組むべきものであることを国民に分かりやすく広報する必要があると認識します。よって、本学は、国立大学協会として、国民向け広報を可能な限り積極的に取組むことを要望します。
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