独行法反対首都圏ネットワーク

「独立行政法人化」に関する申入書
(1999.9.10 [he-forum64]阪大申し入れ書)

神代@阪大です。
阪大教職組は9月10日付けで阪大学長宛に「申入書」を出しました。
以下は申入書の全文です。
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                        1999年9月10日

大阪大学学長 岸本忠三 殿

                       大阪大学教職員組合
                        委員長 城戸良弘

   「独立行政法人化」に関する申入書

 1. 私達は先般開催した定期大会において「国立大学の独立行政法人化に強く反対する決議」を採択しました。 この決議で「大学のように研究と教育・医療活動を担っている機関では企画立案機能と実施機能を分離する事は不可能であり、独立行政法人とは馴染みえないものである。 また、独立行政法人は企業会計原則をとっているが、これも教育には馴染まず、国際的にも求められている高等教育の無償化がますます困難となり、儲からない学問は消滅することになりかねない危険性さえある。」
と指摘し「そもそも、今日の独立行政法人化の動きは、国家財政の破綻から唐突に出てきたものである。 我々は、この財政破綻の責任を,教育や福祉に押し付けることを断じて認めることができない。」と国立大学の独立行政法人化に反対しています。
 大阪大学におかれましても国立大学の「独立行政法人化」に反対されるよう強く申し入れます。

2. 日経新聞によれば、国大協は「特例法」による国立大学の独立行政法人化の案をまとめたとの報道があり、あたかも全ての国立大学が「法人化」を受け入れる方向で進みつつあるかの印象を与えています。
 この問題では、9月7日に国大協第一常置委員会で特例法に基づく法人化の案が提示され、13日の臨時国大協総会、20日の国立大学長事務局長会議と矢継ぎ早に日程が組まれています。異例な速さで、国民はおろか国立大学の教職員・教授会メンバーさえほとんど何も知らないという現状で国立大学の独立行政法人化の問題に決着がつけられようとしています。

3. 大阪大学は1997年10月に「国立大学の独立行政法人化反対」の態度を表明したことをはじめ、本年6月22日の名誉教授招待懇談会での岸本学長の挨拶で「…独立行政法人の通則法では、…大学にぴったり当てはまるものではない。」との立場をあきらかにされています。また、8月31日の朝日新聞夕刊で本間副学長は、「成立した『独立行政法人通則法』がそのまま国立大学に適用されれば、大学の活性化にとってかえってマイナスになる」と断言しています。

4. 大阪大学では、「設置形態に関する研究会」で議論され7月には各部局に設置形態に関するアンケートが実施されていますが、この結果等もなんら明らかにされておらず全学的な論議がされていない状況です。
 したがって大阪大学において「独立行政法人化」への結論が出されていない現状では、13日開催予定の国立大学協会臨時総会においても、20日に予定されている文部省の学長・事務局長会議においても「国立大学の独立行政法人化」に関しては『反対』の意志を表明されるよう強く申し入れます。

5. 大阪大学の学長として、「より大きな視点から国民的規模でオープンに議論すべき重大事」(前述朝日新聞夕刊)と認識され、あらゆる情報を広く公開するとともに、学内の徹底した議論に掛けるべきものと考えます。

6. 「独立行政法人化」は、教職員にとって国家公務員法の一部や給与に関する法律が適用されなくなるなど、将来の生活の基盤をゆるがす大問題であります。 もし学内の同意のないまま「独立行政法人化」をすすめれば大学を支える教職員の労働意欲を喪失することにもなります。また、大学の学長は選挙によって選出されることひとつをとってみても他の省庁の組織とは異なり、より慎重な判断が要求されます。
 大阪大学がいかなる形であれ「独立行政法人」等への移行(設置形態の変更)は、教職員の研究条件、労働条件の重大な変更をともなうものであることから、教職員組合との交渉事項であり、この問題をすすめる場合には教職員組合との合意が前提であることはいうまでもありません。

 以上の理由により下記事項について申し入れます。
  

1.  9月13日の国大協臨時総会において、国立大学の独立行政法人化には反対の立場を表明されるとともに国大協として反対の立場を確認するよう尽力されること。
2.  国大協第一常置委員会でまとめた特例法案の内容を公開するとともに全学的な議論を行うこと。
3.  9月20日の学長・事務局長会議で示される文部省の方針に関しても、前項同様にその内容の提示と徹底した論議をおこなうこと。
4.  この申し入れに対する回答を速やかに履行されるとともに、会見をおこなうこと。

以 上


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