独行法反対首都圏ネットワーク

国立大の独立行政法人化に反対
国大協が再確認
臨時総会 「特例法」も論議
(1999.9.14 しんぶん赤旗)

 国立大学協会(国大協=会長・蓮實=はすみ=重彦東京大学長)は十三日、東京で臨時総会を開催。その内容について蓮實会長らが終了後の記者会見で説明し、 「独立行政法人通則法(通則法)」による国立大学の独立行政法人化に反対の意向をあらためて表明しました。
 国大協はすに一昨年十一月、国立大学の独立行政法人化にたいして、短期間で効率を評価するもので、長期的視点で教育・研究をすすめる大学にはふさわしくないとして反対を表明していました。この日の臨時総会でも「通則法」を大学に適用することにはほとんどの大学の学長が反対を表明ました。
 総会では同時に、独立行政法人化がおこなわれる場合に、「通則法」によらず、大学の自主性・自律性を保障した特例法などによる必要があるとした国大協第一常置委員会の中間報告が報告されました。記者会見で蓮實会長は「(中間報告は)国大協の考えではなく、第一常置委員会の考え」 「条件闘争を始めたということではない」とのべ、中間報告作成の中心を担った松尾聡第一常置委員会小委員会委員長(名古屋大学長)も、「独立行政法人化を前提にしたものではなく、万一それが現実のものになったときに国立大学が満たすべき要件を提起したもの」とのべました。
 蓮實会長は「国民に国立大学の独立行政法人化がどういうことかが知られていない。わかりやすい言葉で伝えなければならない」と、この問題について議論が不足していることも認めました。

全大教が要望書提出 国大協に反対求め

 全国大学高専教職員組合(和国肇委員長)は十三日、同日総会を開く国大協の蓮實重彦会長と会員の各大学学長にたいして、国立大学の独立行政法人化に反対する要望書を提出しました。
 要望書は、独立行政法人化は、効率化のみに重点がおかれ、学問の自由や教職員の安定した身分保障とは逆行するもので、いまでも劣悪な教育研究基盤をさらに不安定にし、教育の機会均等の原則を脅かすなどと批判。 「大学関係者で深く議論がおこなわれていない」現状もふまえ、国大協がこれらの点を十分検討するよう求めています。

首都圏ネツトも声明

 首都圏の大学教職員組合関係者らがつくる独立行政法人化反対首都圏ネットワ−クは十三日、緊急声明「大学独立行政法人化反対を堅持し、根本的議論の新たな開始を! 国大協臨時総会にあたり学長諸氏に訴える」を発表しました。
 声明は、独立行政法人化は「百年以上にわたって形成されてきた歴史的な財産である国立大学とそれを保障してきた制度の廃止という重大問題である」とし、根本問題を検討していない国大協第一常置委員会の中間報告は差し戻し、正確な分析と体系的批判を早急にしたうえで、全大学的な議論と社会全体による検討をよびかけるべきであると求めています。

独立行政法人

首相が会長をつとめる行政改革会議が中央省庁の再編方策として打ち出しました。省庁の仕事のうち、執行機能や現業部門を切り離して、民間でできるものは民間にまかせ、それ以外を独立行政法人に移すというもの。独立行政法人通則法は、法人の役員は主務大臣が任命する、大臣が法人の達成すべき中期目標(三〜五年間での業務効率化など)を定める、第三者機関である評価委員会が法人の業績評価をおこなう、などとしています。大学関係者の反対もあって、ことし一月に閣議決定した中央省庁改革推進大綱は、国立大学について二〇〇三年まで結論を先送リしていました。


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