『大阪日日新聞』2009年12月4日付

理系中心4学域に再編 府立大改革案、知事は歓迎


大阪府立大(堺市中区、奥野武俊学長)は3日、現行の7学部から理系中心の4学域に再編する改革案を取りまとめ、橋下徹知事に提出した。橋下知事はこれまで同大に対して抜本的な改革を求めており、改革案を「よく踏み込んでいる」と歓迎した。

府立大の在り方をめぐっては、橋下知事が厳しい財政状況の中で運営費交付金として年間約100億円の府費を投じていることから、府民の理解を得られるような改革を要求していた。

大学改革案によると、学部から研究や教員の行き来をより柔軟に展開できるという学域に変更。情報、環境、マネジメントをテーマにした「現代システム科学域」を軸に、「工学域」「地域保健学域」「生命環境科学域」(それぞれ仮称)で構成し、2011年度からの生徒の受け入れを検討している。

取り組みが完了となる16年度時点で大学の生徒数は現行よりも約千人減の5400人。また職員もプロパー化を図り府からの派遣による職員160人を14年には15人に削減するなどスリム化を進め、府の運営費交付金は90億円に縮減することを目指すという。

この日は橋下知事が奥野学長から改革案を受け取り、「文系の人たちは猛反対するだろうが、大学、大阪全体のマネジメントを考えてつくってくれた」と評価。「費用を削るための改革ではないので、強みを発揮してもらえればいい。期待している」とエールを送った。

ただ学内では廃止となる文系学部などから反発の声もある。

改革案提出後の記者会見で奥野学長は「これまで文系を担当してきた先生を説得している状況で、全員が賛成しているわけではないが、大切なのは優秀な学生を育てること。その一点では一致している」と話していた。