『室蘭日報』2009年3月2日付

室工大でバードアイ技術者の育成が9日スタート


室蘭工業大学(松岡健一学長)の「ものづくりバードアイ技術者の育成」が9日からの実証講義でスタートする。設計・製図から素形材、機械加工、検査、評価までを俯瞰(ふかん)的にカバーするものづくり工程の管理者を育成。他大学、企業と連携しながら平成23年度からのカリキュラム化を目指す。

20―22年度の3カ年事業で、経済産業省の平成20年度産学人材育成パートナーシップ等プログラム開発・実証事業に採択された。20、21年度はカリキュラム化に向けた実証講義90コマを実施。機械システム工学、材料物性工学の両科(今年4月からは統合して機械航空創造系学科)の4年生10人が受講する。

実証講義の内容はものづくりにかかわる全科目のほか、鋳造、引っ張りの実験、製造業を訪れてのインターンシップなど。講師は同大教員のほか、全国の大学、高専、道立工業試験場から招く。企業は日本製鋼所室蘭製作所、キメラなどが協力する。

22年度は実証講義の結果を基に開講準備作業を実施。23年4月から機械航空創造系学科の3年生約40人を対象に、2年間のカリキュラムをスタートさせる。

清水一道・同大准教授は「景気後退で製造業全体が厳しい時代だからこそ、人材育成の重要性が増している。大学卒業後、ものづくりの各分野で即戦力となり、管理者にもなる人物を育てたい」と話している。
(山田晃司)