『しんぶん赤旗』2008年6月13日付

将来が不安、 不払い残業告発も
若手研究者アンケート
HPに切実な声次々


若手研究者の就職難と劣悪な待遇が社会的な問題となるなか、日本共産党学術・文化委員会が党のホームページ上で募っている若手研究者アンケートに、当事者であるポストドクター(半年から三年の短期雇用研究員、ポスドク)、非常勤講師、オーバードクター、大学院生から、切実な声が多数寄せられています。

ポスドクからは、契約終了後の就職が見えず、精神的に追い詰められているとの声が、際だって多く寄せられています。

「契約が数年で終わるので、精神的にも経済的にも不安定。企業、研究職、ポスドクの募集はすべて年齢制限がある。将来は研究と全く関係のないアルバイト生活をよぎなくされるのだと暗い気持ちです」、 「『うつ』で研究を二度休みました」、「死ぬまで極貧ですか? 自殺者も数人出ています」

「不払い残業がある」など労働基準法違反を告発する声も寄せられています。

「契約書では平日のみ一日八時間労働で、時間外勤務はないと書きながら、土曜、日曜の勤務を強要し、その分の賃金は払わない」、「一日六時間、週五日、時給千六百円という契約だったのに、実際は一日十二時間以上の労働。休日も夜遅くまで働いている。内部告発がないのは、 教授に反抗することが自分の将来を破壊することになるから」

非常勤講師からは、講師料値上げ、待遇改善を求める声が、多数寄せられています。

「前日に飛行機で通勤し、一泊して翌朝授業していますが、移動時間の時給はなし。準備や採点の所要時間を考慮するとコンビニのバイトのほうがましです」

党学術・文化委員会は、アンケート結果をもとに、問題の解決にむけて、関係団体との対話や政府への働きかけを強めることにしています。